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『ね……姉さん！！』
酷い怪我をしてて、呼吸は浅かった。
すぐにでも助けたいけど、回りに人はいない。
それ以前に、僕自身もパニックになってて冷静な判断がつけられなかったんだ。
『……！
そ、そうだ……僕、僕の力を使えば…！』
僕は自分の力を使って姉さんを蘇生させようと考えたわけだ。
けど、姉さんはそれを拒んだ。
「ダメよ……A…っ……その力は……使ってはいけないわ…」
『っでも！そうしなきゃ姉さんが！』
「いいえ……ダメ…お願い…。
言うことを聞いて……」
人を蘇生する力というのは代償が大きい。
世界の理(ｺﾄﾜﾘ)をねじ曲げてしまうからね。
そんな力を当時の僕が使えば、反動で命を落としかねなかった。
僕はそれを姉さんに話した事があって、その事を姉さんは覚えていたんだろうね。
『何でっ！何で駄目なの！？
姉さんが死んじゃったら、皆が悲しむんだよ！？』
「それは……貴方もでしょ…？
っ、かは…」
『そんなわけない！僕は化物だから…！
この世に生まれちゃいけない存在だから！
僕が死んだって誰も悲しまない！
お母さん達だって、きっと僕なんかいない方が良いって思ってるもん！！
ね？だから早く…』
姉さんに手を伸ばしたけど、姉さんはそれでも力を拒むようにして僕の手を包んだ。
「A……よく聞いてね…。
この世に生まれちゃいけない存在なんて、誰一人としていないわ…。
生きていれば………きっといつか貴方を受け入れてくれる人が見つかる…。
今は無理でも……必ず、貴方を受け入れ、愛してくれる人が現れるから……」
『ねえさん……！嫌、やめて…！』
「………生きて……A…」
そこまで言って、姉さんは静かに目を閉じた。
……まぁ、死んだって事だね。
その後、僕は蘇生しようと思えば蘇生をする事が出来たんだけど……。
僕には、出来なかったんだ。
蘇生をしても、姉さんは喜ばない。
もうあの時みたいに笑ってくれない。
そんなの、嫌だからさ。
姉さんは散々僕の我儘に付き合ってくれたから、せめて最後のお願いだけは聞いてあげたかったんだ。
だから僕は、蘇生はせずにずっと姉さんの手を握っていた。
体温が完璧に失われるまで、ずっと。
少しでも長く、姉さんの温もりを感じていたかったんだ。
僕を優しく包んでくれた、温もりを…。
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つきの(プロフ) - 紅キ霧雨さん» はい！365日いつでもどこでも更新待ってます笑笑 本当に面白くて「同じ人間なのに何でこんなに面白い作品が作れるんだろ…」と思います笑 これからも応援してます！ (2018年11月9日 0時) (
レス) id: 862a65ff1a (このIDを非表示/違反報告)
紅キ霧雨 - つきのさん» ああぁ……嬉しいお言葉をありがとうございます！！そう言っていただけるとやる気が倍増します(笑) 更新、精一杯頑張らせていただきます！！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
つきの(プロフ) - 続編おめでとうございます！！本当に面白いです！！逆に続編作ってくれてありがとうございます笑 これからも更新頑張って下さい！ (2018年11月8日 18時) (レス) id: 862a65ff1a (このIDを非表示/違反報告)
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