上司と部下と同期と 【２】

資料51 ページ3

何度、コールをしたのだろう。






ようやく、Aセンパイと電話が繋がった。





「あ、センパイ、大丈夫ですか？」


いつも通り、平然を装う。





『あ、知念くん。うん、大丈夫だよ！ありがと、』



「……それ、本音ですか？」



『え、？』




どこか、意表をつかれたような反応のセンパイ


「本当に、大丈夫なんですか。無理、してないんですか？」





『………大丈夫、って言いたいかなっ』



電話越しでも必死に泣くのを堪えているのがわかる



「いいですよ」





『え？』







「泣いても、いいんですよ？」





『っ…うっ、んっ』






多分、普段は人前で泣かない人なんだと思う。


それでも、一度泣く姿を見せてる僕にだから…泣けたんだと、思いたい。



「センパイ、今からお邪魔してもいいですか？」





『うっ、ｽﾞｯ、ん、』


センパイも、不安に押しつぶされそうなんだろう





僕も、Aセンパイの心が、僕じゃない他の誰かに傾くんじゃないかと思うと
不安で押しつぶされそうになる






ありがとうございます。


そう言って、電話を切り、急いで車を出した。

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