すりー ページ3
「よッ、七瀬」
「あー･･････いつにぃ･･･」
消え入るような声で返事をする。
最悪だ。こいつに見つかるなんて･･････。
「うッ･･･」
いつにぃこと、この家の四男である五樹だ。
「ン？どーした･･･って、あー(笑)ゴメン(笑)」
「くっそ･･･」
そう、いつにぃは顔が良い(らしい)。
だから、いつも誰か違う女を連れている。
それで、いくつもの香水が混じった匂いがするのだ。
「いつにぃ嫌い･･････」
「ひでぇ(笑)」
「それよりなに？いつにぃが家にいるなんて珍しい」
鼻をつまみながら、いつにぃを睨むと、いつにぃがニタッ、っと笑った。
「そーなんだよ･･･。二股かけててもＯＫって条件で付き合ってたのにさ、『二股かけてるとか最低！』って言われて今追いかけられてるとこ(笑)」
いや、わざわざ女っぽい声出さなくていいから･･････(引き)
てか、ただのくずじゃん･･･。
「で、それで僕に何か用？」
わざとツンツンしたように言う。
もうすでにわかってる。
「今外に女子がいるから追い払ってきて☆」
「絶対ヤダ！！」
「なんでだよ」
不満そうに言ういうにぃ。
いや、当然でしょ！？
「あのさ･･･いつも『超能力者』である『僕』に頼まないでくれない！？」
「七瀬･･･これでどうだぁ！！」
そう言っていつにぃが出してきたのは･･･。
「うッ･･････！」
そう、その手に持たれているのはコンビニ限定。一日に各コンビニに五つしか置いていない伝説の･･････。
「メロンパン！！！」
「これ、欲しいだろ？」
「くっそ･･････」
そう、僕は無類のメロンパン好きだ。
ついでにメロンソーダも。
「どうせ、女子に頼んで買ってきてもらったんだろッ！」
そう言い、メロンパンが三つ、入った袋をひったくる。
「さっすが七瀬ぇ〜」
「ふんッ！今回、今回だけだかんな！」
そう言って、玄関の扉を開けた。
説得すること約五分。
やっと帰った。
よし。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
なんばーふぉー
・宇緑家の四男。イケメンの女ったらし。女第一。
・七瀬を気にかけるも、女を優先するくそ←
・十七歳の高校二年生。七瀬をよくメロンパンとメロンソーダで買収する。頭はそこそこいい。
続く
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