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第十二章   「家族」 ページ14

西園寺宙翔(さいおんじひろと)

俺がつけた名前だった。

生まれてきてから、今までずっと。

大好きだった。

大切にしようと思った。

それぞれの国の事や、各国々の事情。

色々と勉強を教えた。

だけど、一度だけ。たった一度だけ君が嫌いだった。

『兄さんがこの国の王になればいい。それだったら、父さんが死んだ後も大丈夫だよ』

どうしてなんだ。どうして俺が?

この国を大好きな君がすればいい。

『兄さん。俺は世界の国のことをもっと知りたいんだ。兄さんに聞いただけじゃなく、自分の眼で』

そうして俺は、この国の『倭王国国王』になった。

倭王国は、国民の投票で王が決まる。

二代連続で同じ一家から国王が出たことはなかった。

王になったことで、和斗と出会えた。

だが、国王はだいぶと孤独だった。

宙翔のいなくなった城は、静まり返っていた。

父上も亡くなり、王妃もまだいなかった時代の倭王国の城には、俺しかいなかった。

日和がきてからは、その寂しさが少しまぎれた気がした。

宙翔としていた文通は、やがてパタリと途切れてしまった。

それは、俺が手紙を書く暇がなく、出すのを忘れて止まったのか、

宙翔からの返事が来なくなったから、俺が書かなくなったのか、わからなくなるほど昔だった。

だが、椿くんによれば、宙翔は近くにいる。

――――会える保証はない。

今、あいつがどこでなにをして、誰と一緒にいるかわからない。

もしも敵国―――ユスアトッカ―――にいるのだとすれば、宙翔の身分を明かしてはいけない。

殺されては困る。

宙翔は国王じゃない俺を知る、唯一の人間のだから。




____次回予告_____



『お久しぶりです、兄さん。そして、お初お目にかかります、義姉さん』


次回、ついに大翔の過去を知る『西園寺宙翔』が登場―――!?


彼は今、どこでなにをしているのか・・・・・・。


そして、彼が関わった思わぬ人物とは―――?


西園寺家の“非”日常

第十三章 「西園寺宙翔」


お楽しみに〜♪


☆あまったから書いただけの次回予告――――!!!!


☆この内容になるとは限らない――――!?!?!?

第十三章   「西園寺宙翔」→←第十一章   「大翔様」



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作者名:ベルフェゴール | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月22日 15時

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