第八章 「ほめりと杏」 ページ11
「な、んで・・・その名を?」
椿様がほめり様を見ながら、驚く。
「杏・・・あの名前は?」
小声で、近くにいた杏に聞く。
杏も少し驚いている。
「主の兄弟・・・翰林の国王のご子息たちだよ」
杏がそう言い、椿様の方を見る。
「ほめりっつったっけ?なんでそんな詳しいの?」
椿様が少し警戒したように聞く。
「なんでって・・・私『たち』翰林出身ですし」
「翰林だったのか――――・・・『たち』?」
ほめり様の言葉に、椿様も違和感を感じたようだ。
もしかして、『たち』っていうのは―――。
「俺の事ですよ、主。俺は翰林の人間ですし、翰林にいるときにほめりに初めて会いました」
「杏!?」
杏の言葉に、椿様が驚き、杏の肩を掴む。
「じゃ、じゃあ・・・・・・」
杏の肩を掴みながら、椿様が震える。
下を向いているから、顔が見えない。
「じゃあ!!!俺の十歳の時のスピーチで失敗したこと知ってんのかぁ!?!?」
し、失敗・・・?
「え、十歳の時のスピーチって、あのスピーチが嫌すぎて国民の前で駄々こねたやつですか?ww」
杏がわかっていながら、わざと言う。
「うわぁぁぁ!!!くっそ・・・」
椿様が膝から崩れ落ちる。
「実はずっと椿様があの時の少年、ってわかってたんですけどね、あえて言いませんでしたww」
「くっそぉぉぉぉ!!」
椿様の悲痛な叫がこだました←w
♦ ♦ ♦
「君が高坂ほめりさんかな?初めまして。この国の国王、西園寺大翔です」
「初めまして。高坂ほめりです。以後、お見知りおきを」
ほめり様が一礼し、二人が握手をする。
「さて、まずは君にユスアトッカについての情報を教えてもらわないとね」
大翔様が座り、日和様がその隣に立つ。
「はい、わかりました」
そう言い、ほめり様が腰に下げているポーチから、小さなファイルを取り出す。
「ユスアトッカ合併国。向こう側の大陸最大の国家です。軍事的に国を抑え、征服しています。その軍事力を知っている他の小さい国々はすでに降伏しているようです。
この国は、利用しようとしていた、ソルアを解体させた倭王国、翰林、鮮少帝国をなんらかの方法で、潰すつもりです」
「非常にまずいことになったわ・・・」
日和様が悔しそうに顔をゆがませる。
「そうだな・・・だが、手はあるさ」
大翔様が、いたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「三か国じゃなくて、四ヵ国にしたらいいんだ」
「「え?」」
俺と日和様でハモった。
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