Fischer's 虹を泳ぐサカナたち《３》 (ページ17)

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神にでもなりたいページ17

msi side

モトキに今日の詳しい話を聞かせてもらった。

事の発端は、夢をみたこと。
とても小さな事に聞こえるけどあそこまでAが爆発するっつーことは、今のAにはものすげー大きい爆弾だったんだろう

仕事めちゃめちゃ頑張り時なのも実際頑張ってんのも知ってるし…
この間シルクん所へ行かなきゃダメだった程精神的にもしんどい時期だった

そもそもんな変な夢見るほどいろんな不安とかしんどさとかがあったんじゃねぇかと思う

それなのに
俺は、小さなＳＯＳにも気付けず何やってた？

モトキは「マサイは悪くないでしょ。ただ全部のタイミングが悪かっただけ。Aも爆発しちゃってどうすればいいのか分かんないんじゃないかな」って言ってくれたけど

あんなに目を赤くして泣かせたのは間違いなく俺じゃねぇかよ。笑えねぇわ

シ「なーに落ち込んでんだよ」

マ「…うっせーよ」

シ「ま。飲めや」

モトキの家を出て、どうしょーもない気持ちが大きすぎてついシルクの家へ来てしまった

俺の表情を見て察してくれてんのか、深く聞いてきたりしねぇままビールを机に置いてくれて

マ「不安ってどうやったら消してやれんだろーな」

シ「あ？」

マ「俺はどうしてやればいいんだ」

シ「お前アホか(笑)」

マ「は？俺は真剣に…」

シ「Aの抱える不安なんかAが片付けるしかねーだろうが。お前がどうしたからって消えねんじゃね？アイツを不安にさせる事は簡単に出来ても、出来ちまった不安消すとかアイツがどっかで安心しなきゃ消えねーよんなもん。」

その通りだ

マ「俺、なんもできねーのかよ」

シ「Aのこと信じて待ってりゃいいんじゃねぇの」

マ「でも俺が悪ぃんだぞ」

シ「いや。悪くねぇだろ。どこが悪ぃんだよ」

マ「あそこまで弱ってんのに気付いてやれなかった」

シ「Aが言わなきゃ分かんねーだろうが。お前は神様かなんかになったつもりか」

マ「、」

シ「付き合ってんだろ？なーんで俺が悪いって言いたいんだよ。お前ら結局自分ばっか責めてなにしてんの？解決する気あんのかよ」

マ「お前なら…気付けた？」

シ「ほんとバカか。俺は神じゃねんだよ(笑)…まあ飲めや、しゃーねぇから相談話でも惚気でも付き合ってやる」

そう優しく笑ったシルクに救われた気がした。

*