14話『真実の書』(下) ページ10
コハク「"ただし、その大量殺戮があった村の真実を調べるための研究者、この今まで以上にないニュースを放送するためと来た記者達が殺到した。調べると"荒れ狂うのは1回きり"であり、"怒るだけで殺すようなことは二度はない"とまで調べられた。しかし、赤目の状態は最も珍しく「高値で売れる」と"勘違い"され、企んだたほかの商売人が100人ほどの勢力で襲いこんだ。その事件で人体が売られるか、抵抗するイカは殺され、目のみで売られることが多くなり、村の人口はどんどん減っていった"……」
…背筋が固まるほど残酷な事件に、コハクは震えが体全体にまで及んできた。
?「…コハク?」
誰かが突然名前を呼ぶ声に過剰に反応したコハクは肩を震わせた。
コハク「は、はい…!あれ…レインさん?」
レイ「昼になるから迎えに来た。」
コハク「あ、ありがとうございます…」
レイ「ここの本、結構揃いがいいらしいな?どうだった?」
コハクは本を急いで閉じ、レイに無理やり笑顔を作った。
コハク「…よ、良かったです」
レイ「そうか?その割に顔が引きつってるけど」
コハク「うっ…ちょっと描写がリアルな本を読んじゃって…」
レイ「そうなんだな…笑まあ、入口で待ってるから返して来いよ?」
コハク「分かりました…!」
レイはスタスタと歩いていった。コハクはため息をついて咄嗟に隠した本の表紙を見た。
コハク「リトさん……」
コハクの思いはどちらも空回りする。
ー ー ー ー
ミカ「ふあー!楽しかったー!」
レイ「結構負けたよな?俺の調子悪かったんだろうか…いつも通りな気がしたんだけどなー」
ミカ「でもチームとしてはいっぱいできたしいいんじゃない??」
レイ「まあそうだな笑」
夕方、泊まった先の旅館を後にし、電車を乗り継ぎしながら話していた。
レイ「リトとコハクはなんで喋らないんだ?」
リト「へっ…?」
コハク「…少し疲れてて…笑」
レイ「…そうだな笑寝てていいぞ、起こすから」
コハク「あ、ありがとうございます…」
相変わらずリトとコハクは連携が取れず、負けが続いていた。敗因が自分達なのは痛いほどよく分かっているが、どうもこうもレイやミカ達に言えないのが現状。2人は複雑な気持ちになった。
2人の負の感情は、いつ取り除かれるのやら。
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年7月1日 7時