14話『真実の書』(上) ページ8
2日目。夕方にはハイカラスクエアへ帰ることになる。
レイ「んん…」
開けられたカーテンからのぞく日光が顔に当たる。
レイ「眩しい…」
やっとのことで目を開けると、窓を開けているコハクの姿が見えた。
コハク「あ、すみません…!」
レイ「大丈夫、おはよ」
コハク「…おはようございます…」
レイ「…律儀にカーテン開けるんだな」
コハク「清々しい朝ですからね…!」
レイ「…昨日の夜は雨降ってたっぽいし、今日はそれとなくいつもより晴れてる気がする」
コハク「そうですね…雨音で少し起きちゃいましたし」
レイ「ん?そうか?」
コハク「あ、いや!すぐ寝ちゃいましたけど…!」
レイ「意外と2度目はすぐ寝られたな…はぁ、眠い」
コハク「今日は夜にハイカラスクエアに着きますからね…!起きておいてくださいね?」
レイ「そうだな」
次いで、ミカやリトも起き、旅館から出されたご飯をゆっくり食べながら話をした。
ミカ「次のタグマはエリア?」
レイ「いや、ヤグラだな」
リト「おおー!」
食べ終わった後、コハクが何かリュックの中を探っている。
レイ「どうした?コハク」
コハク「あっ…えっと、図書館ってどこですか??皆さんと一緒に試合をする前にここにある本を読んでおきたくて…」
レイ「あぁ…地図のアプリで確認するのが1番だけど、旅館出て左行って交差点を真っ直ぐ…」
コハク「…地図で確認しますね!」
レイ「迷子になったりしないか?途中まで送ろうか?」
コハク「あ、いえ!大丈夫です!」
コハクは大急ぎで小さなバッグを提げて部屋を出た。
レイ「あんなに慌ててどうしたんだろうな?」
ミカ「読書好きだったんだー!意外!」
リト「…」
リトは扉を静かに見つめていた。
リトとコハクはあれから2人で話していない。昨日のバトルでも二人の間の連携が取れなく、前衛や中衛が崩れやすかった。
レイやミカはいつも通り安定していたし、ミスも笑って励ましてくれたが、リトはどうもコハクのことを気にかけた。
コハクもそうだ。
コハクも昨夜のリトとレイの話を聞いた時、更にリトへの不信感とこのチームへの不安を覚えた。
「目の色」のことで調べていたなら、図書館に行けば確かな内容で、かつたくさんの情報を集められるかもしれないと思ったコハクは図書館へ急いだ。
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年7月1日 7時