20話『確かな命』(中) ページ33
エイトに洗脳され、『レイの父親がお前の母達を殺した』、『レイが裏切り者だ』ということを脳にインプットされたリトは、これまでにない恨みと怒りを覚え、それだけを頼りにレイを探し、絞殺しようとした。そこで明かされる、リトとレイの関係。さっきはそこまで考えていなかったが、
リトの為に｢叔母｣、｢母｣、｢兄｣が死んだのだ。
3人とも、『リトを守る為に』身を投げ出したのだ。
リト｢……兄さん……僕の……兄がここに…｣
気付いた時にはその場で気を失ったように倒れていた。
リトの涙から、大粒の涙がレイの頬で弾けた。
リト｢なんで……なんで……｣
コハク｢…ぁ…レインくん……生きてますよね……？｣
コハクは棒立ちのまま、流れ出てくる涙を拭わず2人の姿を見ていた。
クラウド｢…待てよ。戻ったってことは、もう｢黒インクが出ない｣ってことなのか！？｣
エイト｢…それはないかと｣
クラウド｢でも、記憶があるということだぞ！！もしかしたら消えているかもしれん！！｣
クラウドはリトを睨んだ。
クラウド｢くそぉ！！せっかくの生き残りが！！もう必要ない！！殺せ！！｣
エイト｢了解。｣
エイトは躊躇なくリトの背中に焦点を合わせる。
リトはそれに気付いていない。
コハクはハッと我に返った。
床に落ちたパーマネント･パブロを見た。
それを勢いよく拾い上げ足場を塗った。
エイト｢さよならだ、実験台。｣
エイトは持ち武器のトリガーを引く。
…と、突然コハクが大声で叫ぶ。
コハク｢インクアーマー！！！｣
スペシャルを貯めたコハクは持ってた武器をN-zapからレイが落としたパーマネント･パブロに変え、スペシャルを放った。
そのインクアーマーは、コハク自身とリトに付いた。
リト｢！！｣
打ったインクはそのアーマーで弾かれた。
エイト｢なっ｣
そのままパブロで駆け抜けて来たコハクは、リトとエイトの間で止まって、リトを守るようにしてエイトの方を向く。
コハク｢…絶対に、無事に帰るんです！！リトさん！！さっき約束したはずです！！｣
リト｢コハクちゃん…！…でも、さっきのアーマー、レイくんには…つかなかった……｣
コハク｢"全員"で！！帰るんです！！敵の前で泣くのは男じゃないです！！リトさん！！｣
リト｢っ！！｣
ミカ｢…ハクちゃん…｣
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作者名：こっこ@amuse | 作成日時：2019年7月1日 7時
