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episode115 ページ27

零「だからこそ、こんな俺だったからこそAへの想いが自分でも分からないんだ」

そう言うと彼は私の頬を両手で優しく包み込む

零「A……俺は……」

そういうと彼は私の瞳をじっと見つめる

どちらが合図したわけでもなく徐々に私たちの距離は縮まった

貴「………!?」

急に肩を押され彼の顔はみるみる遠ざかる

貴「零…………?」

いきなりの急展開に驚いた私は『さん』付けで呼ぶことも忘れていた

零「…………」

話しかけても返事はない

貴「ど、どうして……また……」

零「すまない……」

まただ

彼はまた、私に謝るんだ

貴「……なんに対しての謝罪ですか?」

嫉妬、悲しみとも言えぬ感情が私の心の中を飲み込んでいった

それはいつのまにか涙へと変わっていく

零「…………」

貴「た、たいせつ…って言ってくれたじゃないですか!!それなのに……」

思わず感情的になってしまう

零「………」

貴「ねぇ…零さん……!!」

零「…………」

何を話しかけても彼は答えない



貴「あはは……私のこと嫌いになっちゃいましたか?」

冗談めいて一番聞きたくなかった質問をする

零「…………」



貴「……っ、もう……いいです」

いてもたってもいられず私は彼の車から飛び出した

本当はあの時、否定して欲しかった

『嫌いなんかじゃない好きだ』って

今だって彼に来て欲しい、引き止めて欲しい

私への想いだって聞きたかった

どう思っているのか知りたかった

でも、もう遅い…遅いんだ……

私はいつの間にか米花町ではなく緑川町にいた

どうやって帰っていたのかも覚えていない

それほど彼の影響が大きかったのだ

マンションが目の前に見えてくる

?「A!!」

玄関から私を呼ぶ人影が見えた

貴「快斗くん……?」

彼は慌ててこちらへくる

快「さっきぶりだな!忘れ物取り来たんだけどよ

  ………なんか様子が変だと思ったら…どうしたんだ…?」

貴「へ?……そ、そんなことないよ?私は大丈夫!…」

今は快斗くんの優しさが怖くてごまかした

今、堪えているものが…全部溢れ出しそうだから

快「………なぁ…俺には頼ってくれないのか?…」

貴「え?……急に快斗くんどうしたの?……」

快「何かあったんだろ?…わかりやすいんだよ……Aは…

  俺じゃ頼りないかもしれないけど…全部吐き出せ…」

貴「本当に…ギザだなぁ…快斗くんは…」

まるで少女漫画のようじゃないか

快「なっ!!俺はお前を心配して……!」

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ララ(プロフ) - salomeさん» コメントありがとうございます!『見たい!』という声をいただくとすごく嬉しいです!もしかしたら出すかも…しれません!わからないですが出す方向で考えて行きたいと思います (2018年12月9日 21時) (レス) id: e0fb4d33ed (このIDを非表示/違反報告)
salome - ボツにした奴見てみたいです後更新待っています (2018年12月8日 19時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - マユさん» コメントありがとうございます!今日テスト期間が終わりました!私も多分…ではなく絶対悪いです笑安心してください!仲間ここにいますよ!笑 明日更新しますね!応援ありがとうございます! (2018年11月30日 14時) (レス) id: e0fb4d33ed (このIDを非表示/違反報告)
マユ(プロフ) - テスト頑張ってください。私は先週テストでした。多分点数悪いですがw更新楽しみに待ってます。 (2018年11月25日 21時) (レス) id: 03d4b99ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - ゆうみんさん» コメントありがとうございます!最近は忙しく亀更新ですがこれからも読んでいただけるとすごく嬉しいです!是非!楽しみにしていてください! (2018年11月4日 19時) (レス) id: e0fb4d33ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ララ | 作成日時:2018年8月29日 20時

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