安室透の言動がどうしても分からないのですが…誰か取扱説明書をください

episode108 ページ20

貴「ん……朝か……」

スマホのアラーム音が鳴り、起こされる

いつもの朝だ

そして体を起こし……

貴「あれ……」

起こせない

金縛りか、と言うほど動かせない

横ではガー！と獣の音のようなけたましいいびきが聞こえる

あれ？私っていつの間に零さんと同棲してたっけ？(してない)

分かっている…これは絶対零さんではないと

恐る恐る横を見ると…

貴「……！！」

黒羽快斗だった

あまりの驚きぶりに声が出ない

だってこの人私を抱き枕みたいにしてるんだよ？

私のお腹に手が回されている

もう胸キュンというよりどうして？という疑問が上回っていた

だってどうして？そんな展開になるの？

どうして恋愛漫画みたいになってるの？

貴「ね、ねぇ起きて」

この状況を説明してもらおうと肩を揺らす

快「ん……」

やっと起きたか…と思うと次は肩を揺らしていた私の手をガッと掴み

ベッドに押し付け馬乗りになってきた

快「…ったく…なんだよ…」

そう言いながら私の顔を見た快斗くんの目がみるみる大きくなっていく

快「……は？A？」

貴「え」

そして数秒間お互いにフリーズする

快・貴「ぎゃーーー！！」



今日は一番賑やかな朝です

………なんて言ってる場合じゃなぁぁい！！

今やっと目が覚めた！！(今さら)

快「お、おめぇなんでいるんだよ？！」

貴「それはこっちのセリフでしょう！？なんでここで寝てるのよ！！」

快「そ、それは……」

貴「それは？」

快「……風呂上がった後にAの呑気な寝顔見てたら俺も眠くなって…で朝になってた…」

貴「…」

1行で済むような簡単な説明をどうもありがとう！

そりゃあ人の寝顔見たら眠くなるよね…眠くなるの！？(衝撃)

貴「普通女の子の寝顔見る？…見る？！」

快「俺がどこで寝ていいか分かんなかったから聞きに行ったら寝てたんだぜ？

　 見ないのは無理だろ！！」

貴「あ……」

そういえばそうだったような気がする

確かにもう快斗くんはいいやとか思ってほったらかしてた私にも非がある

貴「なんか…ごめん…」

快「いや…こちらこそ…」



貴「で、でもさ…これって恋愛漫画とかにありそうじゃない？」

この気まずさを払拭しようとどうにかして会話をつなげる

快「確かにな！まだ付き合いたてのカップルが…！的なやつだろ？」

貴「あ！そうそう」

そう言いながら2人で思った

快・貴『昨日会ったばっかりなのに何してるんだ…』

さらに気まずい空気が流れたのだった

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