安室透の言動がどうしても分からないのですが…誰か取扱説明書をください

episode102 ページ12

零「どうした？顔が赤い」

貴「！」

そう言われ慌てて手を覆う

確かに頬が異様に熱い

そりゃそうだ

安室透から降谷零にいきなり対応が変わったんだから

彼は平気なようだが私が平気じゃない

もう私の許容量はすでに超えている

彼を見ると口元を手で覆い隠して必死に笑いをこらえていた

でも肩が震えているからバレバレだ

貴「面白がってますね？」

零「悪かったよ」

彼はあっさりと詫びたが目がまだ笑っている

…実はちょっと意地悪だったりする？

彼は私の思ったことをよんだかのように

私に問い返してきた

零「こんな俺は嫌か？」

貴「いいえ、全く」

即答すると彼は意外だったようで安室さ…零さんは目を見開いた

私にとって『名探偵コナン』の中の零さんといえば

トリプルフェイスの性格をまとめると

優しくて気さくで社交性があって争いを好まなくて仲間思いで愛国心があって自信家で

でも、時には目的のためには手段を選ばない人で…

という性格だった(まとめるのが不可)

もし『名探偵コナン』の中で意地悪な面を見ても嫌いにはならないけど

違和感が拭えないんじゃないかな

安室さんらしくないとかそんな勝手な感想を抱いていたと思う

改めて考えると私の中では

『名探偵コナンに出てくる登場人物』と『今の零さん』は別の存在だなと気づかされる

心配性で割と融通が利かないとか

少し意地悪なところとか

もっと見せて欲しい

引かれるくらい私は彼への欲望でいっぱいだ

貴「取り繕わないでいてくれて嬉しいです」

そう素直に気持ちを伝えると零さんはまたまた驚いたような顔をする

すると彼は困ったように苦笑する

零「貴方には敵わないな…」

肩の力を抜いて彼は独り言のように呟いた

貴「え？」

零「さて、おしゃべりはこの辺りまでにして…俺は帰るよ」

貴「あ…はい…」

彼はすぐに話題をそらしてしまった

説明するつもりはないらしい

でも私の心の中にはいつまでのその言葉が残っているのだった

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