6『話さない』 ページ7
鞄から鍵を取り出してドアを開ける
部屋に入りまるで当たり前のように
安室さんはキッチンに
私は椅子に座る
いつの間にかそれが生活習慣になっていた
それがしばらくするとふわふわの卵が乗ったオムライスが並べられた
『わぁ…オムライスだ』
安「えぇ、リクエストされたので」
『まるでレストランみたいですね』
安「ありがとうございます」
ホカホカとしたオムライスを口に運ぶ
『美味しい…!』
安「良かったです
それで、教えてくれませんか?」
『……』
私は聞こえないふりをして食事を続ける
安「前から気にはなってたんですよ"その傷"のことも」
最初から知っていたのだろう
彼には隠せるはずがない
ただ心情までは読み取れなかったのか
安「話してくれませんか?」
ただの興味なのか
それとも同情なのか
どちらにせよ話したくない
『……オムライス、食べないんですか?冷めますよ』
安「…話すつもりは無いということですか。」
安室さんもオムライスを口に運んだ
食べ終わり食器をまとめてシンクで洗い始める
安「僕のこと頼ってくれませんか?」
『なぜ?』
安「Aさんのことを守りたいんです」
『そうですか』
安「だから、貴方のことを知りたいんです」
『でも、話したくないです…』
安「わかりました。今は聞かないです
でも、いつか話してくれるの待ってますね。」
そう言う彼の顔を見れず食器を片付けて
その場に立っていた
『待たなくていいです…』
ふわりと腕が私の首にまわされる
優しく抱き締められている
降「待つから…いくらでも…
もう、無理に話せとは言わない。」
なんで、そこまで待つなんて言ってくれるんだろうか
降「少しづつでいいから頼ってくれないか」
『充分頼ってますよ』
降「頼ったうちにならない」
『毎日ご飯用意して
私なんかに時間使わなくていいですよ』
降「俺がそうしたいんだ」
そう言う降谷さんの腕に少し力が入った
『そう…ですか』「ああ。」
背中に感じる温もりと
腕に回された降谷さんの匂いが心地よかった
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作者名:稔 | 作成日時:2020年4月4日 22時