不幸少女？と降谷さん。……３よ

99話 ページ6

馬鹿な男だ。

そんな父とは名ばかりの男に軽く同情すら覚える。
自分でも驚いた。私を売った父を腹の底から恨んでいたはずなのに、今は同情をしている。

きっとこれは、私の中で父を見下しているからこそ湧き上がる感情だ

「父は己の力を過信しすぎた。黒の組織のコネがあったからこそ、あの会社は成り立っていたのに……黒の組織を裏切り好き勝手にした結果。

娘を組織に売り、妻には逃げられ、

今は、薬をヤり刑務所の中です。きっと出てくる事はないでしょうね。いや、出てくる気はないのでしょう。あの男にとって、あの組織から逃げられる唯一の場所ですから」

自嘲的な笑みを浮かべ、一息つく。自分の過去を振り返る。これは思った以上に精神が抉られる。

降谷「……つまり君は売られたと？」

「はい。組織の捨て駒として」

降谷「じゃぁ、そんな捨て駒の君がなぜ生き残っている？」

ドクンと心臓が跳ねる。言いたくない。聞かれたくない。私には抗う術がない。拒否権がない。

降谷「……」

汚れた私を見ないでください

「神に嫌われていて、命に嫌われている私は、死神でした。たとえ、単身特攻でも死ねなかったのです。そんな私を組織は、自爆テロ要員として育てました。いくら、殺しの技量がなくても突っ込むだけ……」

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