不幸少女？と降谷さん。……３よ

109話 ページ16

あぁ〜寒気がする。

「風邪ひいたかなぁ」

いじめっ子「お前まだ生きてたのか」

ゲラゲラと耳障りな音が頭に響く。その度にズキズキと鈍い痛みが走る。完璧に風邪ひいちゃった。
まぁ、降谷さんはどうせ帰ってこないんだから、バレないはず。

生きてたってひどいと思いません？こっちだって生きたくて生きてんじゃねーのに

いじめっ「無視すんじゃねぇーよ」

「私に問いかけていたのですか」

わざと、今気づいたようなフリをする。あぁ、やっぱこういう(イジメ)られてる方が、変に警戒されなくてやりやすい。

いじめ「は？ちょーしのんのもいい加減にしたらぁ？ちゅーこくしたからねぇ」

忠告とは？そんなことより休んでた分の課題だ。内容自体は簡単だが、なんせ量が多い。

毛利「Aちゃん。大丈夫？また絡まれてたみたいだけど…」

心配そうに顔を覗いてくる毛利さんに顔には出さず驚く。

気づかなかった。
さっきから気持ち悪いほど、周囲の動きがわからない。集中力の低下が考えられるが、熱まであるのだろうか。

世良「なぁ、顔色悪いけど保健室行くかい？」

「いえ、平気です。これ以上出席日数減らしたら留年なので」

降谷さんのお陰で留年の危機は免れたので全く問題ない。保健室なんかに行ったら余計な心配がかけられそうで怖い。

園子「ちょ、あんた熱あんじゃない！」

私のおでこに手を置いていたらしい鈴木さんが驚きの声を上げる。これもまた、怖いぐらいに気づかなかった。

ともかく、
誤魔化しが効かなくなった瞬間である。

110話→←108話 バーボンside

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す