107話 バーボンside ページ14
ジン「一言で言うと、彼奴は異質だ。組織に餓鬼の頃に売られ、餓鬼の頃から組織に身を置いていた人間は珍しくない。だがそのほとんどが、売られて1年もただず死んでいる」
はぁー、と煙草の煙を纏うジンを見る。
銀色の髪の隙間から覗く顔は、どこか懐かしむような…言葉こそ悪いがまるで父親が娘の思い出を語る。いつも鋭い眼に優しい光を抱いているのを初めて見た。
「その死因を聞いても?」
ジン「ふん、んなことも知らないのか。餓死、流行病、餓鬼同士の殺りあい、任務中でだ」
明らかに劣悪な環境下で彼女は少なくとも、高校生ごろまで生きたと言うことか。
ジン「彼奴の異質さはこれだけじゃない。死なねぇんだ」
彼女も言っていた。自分は死ねなかったと
ジン「爆弾抱えて突っ込んだと思ったら、ケロッとした顔で帰ってきやがった。あの時は、流石の俺でも震えたな」
クククッと嚙み殺すような笑い声が酒場に響く。
ジン「彼奴は感情を持ち合わせていなかったんだろうな。だから死ぬことになんら抵抗もない」
「………死神ってコードネームなんですか?」
ジン「いいや。彼奴は自分からコードネームを貰うことを拒んだからな。一応、死神は日本酒にあるらしいから、この組織に属している証みたいなもんで使われてる通り名だ」
最早、酒の名前なら何でも良いという風潮が随分前から出来ていたようだ。なら俺も日本酒が良かった……
「……貴方は随分詳しい様ですが死神とどういうご関係で?」
一瞬、ジンのグラスを傾けた手が止まった。
ジン「それを知ってどうする」
「ただの興味本位の質問ですよ。特に意味などありません」
ジン「チッ、俺の女だった」
鈍器で頭を殴られた様な衝撃。あのAが?
そして1番の驚きは、俺の中で嫉妬に似た感情が腹ん中で燻っている事だ。
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白奈うどん(プロフ) - はな☆さん» 文才なんて……嬉しいお言葉ありがとうございます!ほんとに嬉しいです。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2019年8月13日 23時) (レス) id: fd110bec0b (このIDを非表示/違反報告)
はな☆(プロフ) - とても面白くて一気に読んじゃいました!文才が羨ましい、、!!!!!!これからも頑張って下さい!!!!!! (2019年8月13日 2時) (レス) id: 9297054df9 (このIDを非表示/違反報告)
白奈うどん(プロフ) - 明里香さん» いつも申し訳ないです。ありがとうございました。 (2019年7月30日 7時) (レス) id: fd110bec0b (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 111話に誤字がありました。「見っともない」ではなく、「みっともない」です。 (2019年7月29日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
白奈うどん(プロフ) - さらさん» はじめまして、こちらこそいつも読んでいただきありがとうございます!こんな風に褒められたことがないので、嬉しい限りです。これからもどんどん安室さんの格好良さを出していくので、よろしくお願いします! (2019年4月29日 16時) (レス) id: fd110bec0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白奈うどん | 作成日時:2019年3月17日 21時