世界止めて完結編【萩原研二】 (ページ5)

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5　あの時とは違う。ページ5

「A悪ぃな、テレワークで使ってるタブレットあるだろ？
あれに不具合が出たとかで...。」
庁に呼び出された。
確かに、システムが使われるようになって日も浅い。
仕方がないだろう。

「いいよ。大丈夫。」
「具合どうだ？」
「何とか。じゃあ、明日ね。」
「おう。」

陣平が心配しているのは明日が1月７日だから。
犯人はまだファックスを送り続けている。
出所はいつも違っていて、最近は位置情報の偽造も高度になってきているらしい。
犯人はまだ誰かを危険な目に遭わせたいの....?

美和子ちゃんによると去年は一。今年はゼロにあたる年だ。
念のため病院など東都の主要な施設には警備員が配置されているらしい。

「眠れないの？A。」
口では大丈夫と言えても
婚約者さんにはお見通しだったみたいで。
こうやって抱きかかえられている。
「....。」
「明日が来るの、怖いんでしょ？」
図星。ずるい人だ。
元から気遣いのできる奴だったけど。

「もしね....？」
「うん。」
「今日眠って、何が見えても。もし見えたとしても、私に何ができるのかなって...。
そう考えだすと眠れなくて...。このまま眠らずに入れたらなって...。」

「仕方ない。眠れるまで付き合ってあげますか。」
「ダメだよ、明日も仕事でしょ？」
「じゃあ眠れるの？」
痛いところを突かれた。
「それは....。」

「決まり。ほら、着替えておいで。コンビニ行ってお菓子買お？」
「負けました....。」