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その日は強く雨が降っていた気がする。
上司から押し付けられた仕事をある程度仕上げて(半分は部下に押し付けて)、私に届いた手紙に沿って、今は亡き両親が暮らしていたアメリカ ニューヨーク近郊に来ていた。

"1 15 6 72 9"

差出人不明のこの手紙に書かれた文字はこれだけ。だがこれが両親を知る誰かからの暗号だということには薄々気づいていた。私の想定通りであれば、きっとここら辺に・・・

「よぉ」

何回か聞きなれたあの低い声が私を呼んだ。

「ジン…」

「友達付き合いはよしてくれ。お前も分かってるだろう、その手紙の意味が」

「やっぱり、貴方だったのね」

「ああ、自分の命を狙った悪党だと気づきながらも、飛んで火の中に入るとは。まあ、こっちとしては両親に似た鼠で嬉しい限りだがな」

「組織に忠実に貢献してくれた娘のことだ、簡単には逝かせねえよ」

その瞬間になって男が酷く殺意にまみれてるのを感じた。

…逃げなければ
私もこうなることはある程度想定していた。瞬時にコートのポケットに忍ばせていた手榴弾で1度撒くつもりだった。
けれど向かいに小さな男の子が飛び出してきたのをみて、咄嗟に自分の足元にピンを抜いた手榴弾を投げつけた。

その時だった。

強く地面を蹴って逃げようとした自分に、全身黒を纏った銀髪の男が打った弾丸が向かってくるところを見た。


その弾丸が私の胸元を貫いたと同時に、手榴弾の爆風で吹き飛ばされた私の体は意識を失った。

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作者名:みすみす | 作成日時:2022年7月26日 2時

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