Story 95 ページ49
「…残念、弾は僕が抜いておきました」
バーボン――安室透は麗子に向かってそう言った。
「…っ、どうしてっ！？」
「…綾野さん、あなたは警視庁公安部に所属する潜入捜査官だと言っていましたが…本当のあなたの正体は、国際的機密情報を盗む産業スパイ…ですよね？」
「何を仰ってるの？私はれっきとした警視庁公安部の…」
「…それなら知っていたはずだ。彼女…ローズの父親が純組織の人間ではなく、CIAから送り込まれた潜入捜査官だったということを！」
「!!!」
麗子は唇を噛み締めた。Aはただ驚いている。父が潜入捜査官？母は産業スパイ？どういうことだ。
「もうネタはあがってます。金酉が全て白状しましたよ。倉林奈美さん、あなたは綾野麗子に成り済まし、警視庁公安部で上手く立ち回っていたんだ。本当の綾野麗子さんは金酉に殺されているから」
そうバーボンが言うと、綾野麗子――倉林奈美は変装マスクをビリッと外して笑った。
「…流石だね、優秀な人材だよ。君は。警察庁には勿体無いくらいの」
「…認めるんだな」
「…どうやらもう逃げ場は無いようだしな…」
諦めたように笑った倉林奈美の視線の先に居たのは、FBIのジェイムズ・ブラック、ジョディ・スターリング、アンドレ・キャメル、そして赤井秀一。
「さあ、これまでの悪事を全部吐いてもらうわよ！」
ジョデイはそう言って、笑った。
「…A、降谷君に何か言いたいんじゃないのか」
静寂した場を先に破ったのは、赤井だった。
『…バーボン…透…あなた、潜入捜査官なのね』
赤井の呼びかけに、そう微笑み、降谷に言う。
「…ああ、そうだ」
『…私を逮捕して』
今まで見たことのない切ない笑顔でAはそう言った。
「それは、」
言葉を失った降谷の代わりに赤井は言う。
「A、君がしてきたことは許される事ではない。けれど、君はそれを自覚したんだろう？ちゃんと償うと自分に誓ったんだろう？」
『ええ、でも…私は』
「君は白に染まるべき人間だ。もっと綺麗な世界を夢見ていいはずだ」
赤井の翡翠色の瞳と視線がぶつかる。降谷の方を見ると、彼は碧色の瞳で頷いた。
…一度黒くなった薔薇は元には戻れないというのに。
――どうして、そんなに優しい言葉をかけてくれるのだろう。
ねえ、どうして？
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祥子(プロフ) - とても深いグリーンさん» ありがとうございます！お待たせしました！！最終話にリンクを貼っております(^^)是非お楽しみください！ (2017年12月31日 11時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - ”いったん”完結おめでとうございます(^^)新章待ってます！ (2017年12月30日 22時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» 嬉しいなあ！クローバーさんも良いお年を〜(*^^*) (2017年12月28日 19時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 祥子さん» はい、暇あればチェックしちゃうんです(//∇//)ローズが心配ですが、良いお年を！ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 0cbfa43b10 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます(*^^*) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年10月14日 16時
