Story 91 ページ45
「もう大丈夫か」
『ええ…心配かけてごめんなさいね』
ローズはふらりとジンの部屋を訪れた。彼はひと仕事済んだのか、ちょうど煙草に火をつけるところであった。
「謝罪なんざいらねぇ、テメエが元気ならそれで」
『…貴方って本当に人の心配するのが下手よね』
くすくす笑いながらAがそう言うと、“うるせえ“とべレッタを突きつけてくる。これが彼の挨拶なのだ。それが分かるようになるまで何年かかったことやら。
『…貴方に聞きたいことがあるの。私の父は組織の幹部だった…そして、何者かに殺された。そのとき、母も一緒に殺された…そう聞いているのだけれど。詳しく知りたいの。貴方、何か聞いてない？』
「…組織内でも俺とベルモットぐらいしか知らねぇ話だが…、ローズの父親―――グレーンはある任務の際に殺された。拳銃で心臓を一発。テメエも知ってるな？元FBIの金酉晋次郎が殺した」
『ある任務って？』
「それは俺も知らねぇ、あの方が極秘の任務をグレーンに渡し、それを実行中だった…その情報がどこからか漏れ…前々から組織を目の敵にしていた金酉が、グレーンを撃ったと聞いている」
『…私の母は？』
「お前の母親は優秀な科学者で、シェリーの親と仲が良かったと聞いてるぜ…。もうすぐコードネームも貰えるはずだった…。死んだ奴の名前なんざいちいち覚えてねぇが…、アイツはグレーンの任務に着いていった…そこで金酉に、一緒に撃たれたはずだ」
『…“はず“って？』
「グレーンの死体しか現場にはなかった。近くは海で、防波堤の端に母親の血痕が残っていた事から、撃たれて海に落ちたのだと考えた。その日は天候も悪く、海は大荒れで捜しても遺体は見つからないと判断してな」
“あれで生きているなんて誰も思わん“
ジンはそう言って、せっかく火をつけた煙草を早々に捨てた。
……ジンの話が本当なら、母はその荒れ狂った海で助かったということか？
そして極秘の任務の情報はどこから漏れ、父は殺されたのか？
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祥子(プロフ) - とても深いグリーンさん» ありがとうございます！お待たせしました！！最終話にリンクを貼っております(^^)是非お楽しみください！ (2017年12月31日 11時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - ”いったん”完結おめでとうございます(^^)新章待ってます！ (2017年12月30日 22時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» 嬉しいなあ！クローバーさんも良いお年を〜(*^^*) (2017年12月28日 19時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 祥子さん» はい、暇あればチェックしちゃうんです(//∇//)ローズが心配ですが、良いお年を！ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 0cbfa43b10 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます(*^^*) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年10月14日 16時
