Story 80 ページ34
「まだか？まだキュラソーは見つからねぇのか？」
イライラした声でジンは尋ねる。
「観覧車内部を動く影…ガキが二人と大人が…コイツぁ、ヤベェ…兄貴！！起爆装置の近くに誰かいやすぜ！！」
「公安に気付かれていたのか…」
ジンが遠隔操作のスイッチを押したのとほぼ同時刻。降谷は爆弾の解体に成功していた。
「…やった…ギリギリだったな…松田…」
「…ふん、浴びせてやれ…コルン…弾丸の雨を！！」
ジンの指示とともに、コルンは観覧車に弾丸を放ち始めた。
「キャハハハハ！！！やっちまいな！！コルン！！」
闇夜に響くのはキャンティの高笑い。
「奴らの狙いは私…」
キュラソーは掴んでいた灰原の手を離す。
「あなた…まさか囮に！？」
「あの子たちを頼んだわよ…」
「ダメよ！！殺されるわ！！」
灰原の静止も聞かず、キュラソーは飛び出す。
“姉ちゃんは白が似合うと思うぞ！！“
彼女の頭の中に響いたのはいつもその言葉。
「どうしてっ……！！」
灰原はその場にうずくまる。動かなきゃ、止めなきゃ、助けなきゃ…そうやって思うのに体が動かなくて。
(工藤君はちゃんと自分の運命を受け入れて、闘っているのに…私はまだ)
まだこわくて、受け止めきれていなくて。
『貴女…銀髪の女性を見なかった？』
不意に響いた凛とした声。慌てて顔を上げると、そこに居たのは黒く艶やかなロングヘアにダークブラウンの瞳を持つ美しい女性。
まさか遭遇するとは思わず、あまりの驚きに固まっていると彼女はぐいと顔を灰原に近づける。
『…聞こえてるかしら？』
「あ、えっ…と…」
『？…貴女、どこかで見た顔ね…？まあいいわ、そんな事よりさっきの話聞いてた？』
「あ、あの…囮に…なってるわ…今…」
キュラソーが駆け出して行った方向を指さすと、ローズは微笑んだ。
『ありがとう、教えてくれて』
そして駆け出す。
残された灰原はホッとため息をついた。
「バレるかと思ったわ…」
(さっきの子ども…シェリーによく似ていた…でも今はそんなことより、キュラソー…。明らかに攻撃が一箇所に集中している…狙われているのはキュラソーと見て間違いない…。となると、ジンは熱で私たちの動きを把握している…ということね…)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 493人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
祥子(プロフ) - とても深いグリーンさん» ありがとうございます！お待たせしました！！最終話にリンクを貼っております(^^)是非お楽しみください！ (2017年12月31日 11時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - ”いったん”完結おめでとうございます(^^)新章待ってます！ (2017年12月30日 22時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» 嬉しいなあ！クローバーさんも良いお年を〜(*^^*) (2017年12月28日 19時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 祥子さん» はい、暇あればチェックしちゃうんです(//∇//)ローズが心配ですが、良いお年を！ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 0cbfa43b10 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます(*^^*) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：祥子 | 作成日時：2017年10月14日 16時
