Story 86 ページ40
「…兄貴、大丈夫ですかい？あんまりローズのことで気に病まない方が…」
「黙れ。それ以上喋ると永遠に言葉を紡げなくするぞ」
ジンがそう言ってべレッタのセーフティを外し、ウォッカの口に押し当てると彼は“すまねえ、兄貴“とガタガタ震えながら謝罪した。
“去れ。俺の目の前から消え失せろ“と吐けば、そそくさと居なくなる。もちろん、撃つつもりも毛頭なかったのだが。
ジンは一人、煙草を吸っていた。彼が案ずるのは一人だけ。この世でたった一人だけの彼女―――ローズだけだ。
「…テメエも言うようになったじゃねぇか」
フンと鼻で笑って、ぐしゃりと煙草を靴ですり潰す。怒る気も制裁を下す気も無い。
あの日、ローズの部屋を訪れた日。彼女は初めてジンに感情的になった。あれ程感情を露わにしたことがあったか――――。ジンが思いつく限りは無かったはずだ。ローズは憤っていた。自分自身の友人を死に追いやった男に向かって。ただひたすらに怒っていた。
“おい、ローズ。俺だ、部屋を開けろ“
“…“
“ローズ、居るんだろ。ベルモットから聞いてんだ、開けろ“
“嫌よ“
“…は、嫌だと？テメエ、殺されてえのか？“
“殺したいならお好きにどうぞ？キュラソーと同じように弾丸の雨でも降らして殺せば？“
“…俺はテメエと話がしてえんだよ“
“私はしたくないの。帰って頂戴“
“少しくらいいいだろう“
“帰れって言ってるでしょ！！貴方の顔も見たくないし、声も聞きたくないの！！帰って！二度と来ないで！！！“
その後の罵声は酷すぎて最早覚えていない。とにかく彼女があれ程怒り狂ったのは初めてだったのだ。
「…元のローズに戻って欲しい」
―――なんて、おこがましいだろうか。
“ふざけるのもいい加減にしてくれる？“とまたキレるだろうか。
「…フン、何でそこまで…お前の事を考えてしまうんだろうな…」
―――ジンとて認めたくはなかったのだ。
こんなにもローズに自分がのめり込んでいたなんて。
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祥子(プロフ) - とても深いグリーンさん» ありがとうございます！お待たせしました！！最終話にリンクを貼っております(^^)是非お楽しみください！ (2017年12月31日 11時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - ”いったん”完結おめでとうございます(^^)新章待ってます！ (2017年12月30日 22時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» 嬉しいなあ！クローバーさんも良いお年を〜(*^^*) (2017年12月28日 19時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 祥子さん» はい、暇あればチェックしちゃうんです(//∇//)ローズが心配ですが、良いお年を！ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 0cbfa43b10 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます(*^^*) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年10月14日 16時
