Story 7 ページ9
『ここね…』
白羽ITシステム会社。主にセキュリティ関係を扱うIT会社の大手である。
そのビルの近くに愛車を停めたバーボンとローズ――Aの姿があった。
白羽の社員である古岡という男が誤ってメモリーカードを持ち去ったそうだ。
これは今日の昼の話だが―――別のIT会社と組織との間で取引があった際、たまたま営業で訪れた古岡がロビーに落ちていたメモリーカードを拾って持ち帰ったそうで…。
中身を見た彼はそれをネタにそのIT会社を揺すってきたそうだ。
もちろんその後、その会社の社長はジンに暗殺され…。
「…今日は社員の間で泊まり込みの作業があるそうで…。営業も駆り出されるらしいので…古岡はまだメモリーカードを持っているということになりますね」
『それにしても気の毒ね。警察に言えばいいものを、
「おや、貴女にもそういう感情があったのですか」
バーボンが心底意外という顔でそう言うのでローズはひと睨みする。
『人を冷血漢みたいに言わないでくれる？悪いけど私はジンと違って人の子だから。まあ任務は遂行させてもらうけどね』
チャキと構えたのはS&W M36。クスッと微笑みを浮かべたローズにバーボンは思う。
――彼女はやはり組織の人間なのだ。
だからこんな感情あってはならない。
「その任務、俺も同行させてくれないか」
ビルに入ろうとすれば闇夜に響くその声は。
「…ライ、貴様…」
バーボンが今最も会いたくない男のもので。
『許可は取ってるのかしら？』
「もちろん」
『それならいいわよ。ねえ、バーボン？』
「…ああ」
何とか絞り出すような声で頷くが、バーボンの胸の中にはライに対する激しい憎悪の炎が渦巻いていた。
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祥子(プロフ) - クローバーさん» クローバーさん！最高の褒め言葉です！嬉しいです(*^^*)更新頑張ります！ (2017年9月30日 9時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - おもしろいです。早く続きが読みたい (2017年9月29日 23時) (レス) id: d0ebff26be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年9月8日 22時
