Story 26 ページ28
「…お疲れ様です、ローズ」
良かったら紅茶でも？とウェイターの如く彼女に尋ねるのはバーボン。
『あら、容れて頂けるのかしら？』
「もちろん」
ふ、と微笑む彼に素直に紅茶をカップに注いでもらう。ふわりと茶葉の香りがAの鼻を掠めた。
毛利小五郎狙撃未遂事件があってから数週間が経つ。
あの時、事故にあいFBIに匿われていたキールを奪還したのはいいのだがローズを始め、ジン、それからボスも彼女が何故こんなにも簡単にFBIの檻から逃げて来れたのか不思議に思っていた。
赤井がこんなにも易易と
ジンは「あの方と掛け合ってみる」とキールの処分を話し合っていたようだが。
「ローズヒップティーです」
『ローズだけに？ありがとう』
良ければこれも、そう差し出されたのはどうやらチーズケーキのようだ。
『まさか、貴方が作ったのかしら』
「ええ、最近お菓子作りに凝っていましてね…。ベルモットには好評でしたよ？」
何、その女子力……。訝しげに目の前のチーズケーキをフォークで差し口に運べば。
『…胡桃？』
中からザクザクと胡桃が出て来た。
「当たりです、如何です？」
『とても美味しいわ、私好み』
そう微笑むとバーボンがふにゃりと笑う。
「あなたのそんな
何よ、と睨みつければバーボンは平然と笑って。
「…普通の女の子みたいにあなたもそうやって甘いものを食べて幸せそうな顔をするのですね」
…何か言い返そうとしたけれど。
…そんな事、言われたこと無かったから。
言葉を失った。
それでも。微笑むバーボンを見ていると何故か無性に悔しくなってようやく出て来た言葉を紡いだ。
『…馬鹿ね、私は』
『…普通の女の子にはなれない』
…あの日から私は。
嘘に塗れたこの世界で。
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祥子(プロフ) - クローバーさん» クローバーさん！最高の褒め言葉です！嬉しいです(*^^*)更新頑張ります！ (2017年9月30日 9時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - おもしろいです。早く続きが読みたい (2017年9月29日 23時) (レス) id: d0ebff26be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年9月8日 22時
