Story 14 ページ16
「…一人か」
『ええ…』
「…マスター、コイツと同じものを頼む」
BARで本日何杯目かのカクテルを呷っているとふらりとジンがどこからともなく現れ、ローズの隣に座った。
マスターがお待ちどうさまと言って、薔薇色のカクテルを彼の前に置く。
ふわりとラズベリーの香りがしたソレを呑んでジンはフンと笑った。
「随分と酔ってるな」
『…まあね』
「気にしてるのか」
『ええ』
「テメェらしくもないな」
ジンがくしゃりとAの頭を撫でる。それはジンがAにだけよくする動作で彼女はむすっと膨れた。
『またそうやって私を子ども扱いするのね』
ぐいっとそう言ったAは"ローズ"を呷る。
「ローズ、お前らしくねぇな。ライに逃げられたのはお前のせいじゃねぇだろ」
『分かってる』
「まあ気持ちは分かるがな…」
『…見つかったの』
「まだだ」
『そっちも収穫ナシか…』
頬杖をつき、幾らかトロンとした目でジンを見つめた彼女は妖しくも艶のある瞳で笑う。
それがジンを柄にもなくドキリとさせて。
「ローズ」
『んっ、ちょっ』
あごをクイッと持ち上げ、ローズの唇にキスする。
『な、何するの！』
「確かにもう子どもじゃねえな」
くくくっと楽しそうに笑ったジンは、マスターこれだけありゃ足りるな？そう尋ねてAの分の料金も払い店を出て行った。
『あの馬鹿…』
残されたAはため息を一つつき、グラスに残っていたローズを呑み干した。
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祥子(プロフ) - クローバーさん» クローバーさん！最高の褒め言葉です！嬉しいです(*^^*)更新頑張ります！ (2017年9月30日 9時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - おもしろいです。早く続きが読みたい (2017年9月29日 23時) (レス) id: d0ebff26be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年9月8日 22時
