Story 10 ページ12
『!?』
そろそろ催眠ガスが効いた頃か―――そう思い、ドアを開けるが異変に気づいた。
―――誰一人として居ない。なぜ。
『…っ、バーボン、ライ！聞こえる？』
《 ローズ、どうしました？》
『…変よ。誰も居ないわ』
《 え？》
『ただし、メモリーカードは回収した。そうジンに伝えて』
《 あ、いやジンならもう…》
『ああ、迎えに来るとか言ってたわね…』
ピッと通信を切る。古岡の座席にメモリーカードは置き去りにされていたのだが――何か変だ。事が上手く運びすぎている。
電気の点いた誰も居ないオフィス。置き去りのメモリーカード。ふと何の気なしにソレを見る。廊下の電気に照らされてキラリと何かが光った気がした。
『…っ、…』
すんでのところで避ける。
『…誰？』
―――そう、ライフルで彼女を狙っていたのは他でもない古岡である。
「まさか避けられるとは思わなかったよ。お嬢さん。俺は警視庁公安部に所属する古岡草介。白羽には極秘の任務で潜入していた。まさか、そこで別に長年我々が追い求めていた組織の情報が手に入るとは思っていなかったがね…さあ、手を上げて。話は署で聞こう」
『日本警察が狙撃なんて。らしくないわね…本当に公安なの？』
「もちろんだとも」
『ならば証拠を』
古岡がゴソゴソとポケットに入っている警察手帳を探っている間に背後から近づいていたジンが古岡を射殺した。
『ありがとう、助かったわ』
｢フン、何となく嫌な予感がしただけだ。ずらかるぞ」
『ええ…』
ジンの車、黒のポルシェ356-Aに乗り込む。バーボンとライは先に帰ったらしい。
『ねえ、あのメモリーカード…粉々になったけど良かったの？』
「古岡は自分が組織を潰そうと息巻いてまだ誰にも中身が何か言ってなかったそうだ…全く馬鹿な男だぜ…。あのメモリーカードの中身は今シェリーが開発している薬のデータだ」
『へえ…』
――――ああ、だから。わざわざ確かめに来たのか。
シェリーの作っている薬のデータが漏洩していないか。あわよくばジンが粉々にするつもりだったのかもしれない。自分の愛する女が作ったデータが漏洩されるなんて、嫌に決まっている。シェリー自体を誰かに奪われるようなものだ。まあ、ジンならシェリーを誰かに盗られるくらいなら彼女を殺してしまいそうだけれど。
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祥子(プロフ) - クローバーさん» クローバーさん！最高の褒め言葉です！嬉しいです(*^^*)更新頑張ります！ (2017年9月30日 9時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - おもしろいです。早く続きが読みたい (2017年9月29日 23時) (レス) id: d0ebff26be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年9月8日 22時
