Story 28 ページ30
『…っ、』
――寝ていたらしい。目を開ければ、懐かしい人と同じ髪色の彼。
「…目が覚めたんですね!Aさん」
嬉しそうに微笑む安室透―――いや、降谷零。
『…ずっと…居てくれたの』
「火傷の痕も心配でしたし、あなたは最近あまり寝ていなかったようなので…」
『…ええ、私は貴方に会わせる顔などないのに…』
「…なぜです?」
――ねえ、私なんかが貴方の傍に居てもいいの?貴方のように綺麗な心を持つ、そんな人の傍に。
『…私は…犯罪者なのよ…どれだけの人間の未来をこの手で奪ったと思ってるの』
「…Aさん。あなたはそれでしか生きていけなかったんでしょう?そうしなければ、あなたは組織で殺されていた。あなたがやってきた事は許される事ではないけれど、でもあなたはそれを後悔していて…今、組織を壊滅するための手助けをしているんですよ」
『でも、私は』
「…甘えるのもいい加減にしろ」
降谷はAの胸ぐらをガッと掴む。
「…自分を悲劇のヒロインみたいに言って、いつまでも被害者ヅラしてどうする?それで君は前に進めるのか?同情して欲しいのか?」
降谷の瞳に色づいていたのは怒りの色。
「厳しい事を言うようだが、これは君が選んだ道だろう?君は組織を抜け、FBIに入り、組織を追う事を選んだ。君が選んだ道だ。君が選んだ道を、君自身が歩かなくてどうする。その中で俺や、赤井のように手を差し伸べる人間が居るならその手を掴めばいい。君自身が君自身から逃げていてどうするんだ!!」
でもそれはAに向けられたものではなく、まるで降谷自身に語りかけているかのようで。Aはふとまぶたを閉じた。
662人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
祥子(プロフ) - クローバーさん» ありがとうございます(*^^*)本当にずっと応援してくださいましたね!嬉しいです。もしかしたら、またローズの話を書くかも知れませんが、一旦終わりで笑 (2018年2月16日 18時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 完結おめでとうございます!ちょっとかなしいけど(泣)祥子さんの他の作品も応援してます!! (2018年2月15日 11時) (レス) id: d0ebff26be (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - aoumi1973さん» ありがとうございます!!暖かいお言葉嬉しいです! (2018年2月11日 20時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - 笑顔の似合う少女。さん» ありがとうございます!感動していただけるなんて、、、、感動です!笑 (2018年2月11日 20時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
aoumi1973(プロフ) - 完結おめでとうございます。すごくおもしろかったです。まだ、寒い日が続くので、身体に気をつけてください。 (2018年2月11日 19時) (レス) id: 84f816655d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:祥子 | 作成日時:2017年12月31日 11時