黒い薔薇は白に染まる【降谷零/赤井秀一】

Story 23 ページ25

「…風見」
「はい」
「俺にもしもの事があったら…後は任せたぞ」
「え、降谷さん!?」




降谷はとんとんと風見の肩を叩き、微笑んだ。そして、警察庁を後にする。




(…ベルモットからのメール…“ローズを来葉峠に明日の21時に呼び出したわ“…彼女はもうすぐボスの監視下に置かれるはず…その危険な状況でメールをしてきたという事は是が非でも彼女を救って欲しいという事…)




白のマツダRX-7に乗り込み、エンジンをかける。降谷はハンドルに頭をゴツと乗せた。




(…赤井に頼んだけど…でもそれは赤井に彼女を譲った訳じゃない…彼女の身の安全が最優先だという事だけ…)




頭を振って、意識を保つ。明日の21時。Aは来葉峠に呼び出される。実行犯はジン。援護はキャンティとコルン。




(……大丈夫、策はある)




―――愛しい彼女を殺される訳には行かない。




この命が尽きるまで…いや、違う。自分の一生を彼女に捧げる。だから、生きて帰らなければならない。




―――こんなところで彼女を殺されてたまるか。




降谷はぐっとアクセルを踏み込んだ。

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