きみのとなり

38話 ページ38

香山「A！こっちこっちー！」

『あ、里穂…』

ついに来てしまった、この日が。
大丈夫かなぁ…

香山「ちゃんと連れてきてくれた！？」

『あ、うん…斎藤くんだけだけど…』

鈴木くんと田淵くんは忙しいって。
斎藤くんだけだけどいいかな…

香山「全然いい！！むしろ斎藤くん目当ての子がほとんどだから…」

『ほとんど？ほとんどって…』

香山「あ、しまった…」

『里穂！今日は里穂だけって言ってたじゃない…』

ひどい！里穂だけって聞いてたのに…

香山「ゴメンって！みんなに自慢したらどうしても行きたいってゆうから…
あ、でも男はちゃんと召喚するから！
ね、許して！」

斎藤くんだけじゃないのか…

『私に謝るより斎藤くんに謝りなよ。』

香山「りょーかい！ありがと〜！」

斎藤くん、怒らないかな…

香山「あ、あれ！斎藤くんじゃない！？」

『あ、ほんとだ…』

斎藤「ゴメン、待った？」

『ううん、全然。』

香山「初めまして！Aの友達の香山里穂です！里穂って呼んでください！」

斎藤「里穂ちゃん、ね。よろしく。」

すごいな、里穂…もう友達になっちゃった…

『さ、斎藤くん。ゴメン、今日里穂だけだと思ってたんだけど、女の子何人か来るみたいなの…』

斎藤「え！？男、俺だけ！？」

『あ、いや、何人か呼んでくれるって…』

斎藤「マジ？ならいいか…」

ゴメンなさい…なんか騙した気分…

香山「ほら、行きましょ！」

斎藤「あ、うん。」

う、腕組んでる…

『………』

なんか…変な気分。

香山「着きましたよ〜！」

「わ、本物の斎藤宏介だ…！」

「カッコイイ〜！」

「どーも〜君が斎藤くん？バンドやってる。」

斎藤「あ、はい。そうですけど…」

「大したことなくね？」

「確かに。そこまでかっこよくねぇし。」

なんかこのメンツ嫌だな…失礼な人がいっぱい…

「君がAちゃん？かわいいね〜」

「こっち来なよ！」

『え、あぁ、はい…』

斎藤くんの近くが良かったのに…

そちらのほうをちらりと見てみると、女子に囲まれていた。

なによ、まんざらでもないみたい。
そりゃそうだよね、私なんかといるより…

39話→←37話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す