きみのとなり (ページ16)

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16話ページ16

斎藤「あ、岡本さん！おはよう！」

『斎藤くん。おはよう。』

斎藤「今から授業？」

『そうだよ。斎藤くんもじゃないの？』

斎藤「んーサボって寝てようかなって…笑笑」

『ダメだよ。寝ててもいいから講義には出よう？』

斎藤「そうだねー出た方がいいよねー」

斎藤くんってサボり癖があるんだ。
ちょっと意外かも。

教授「はい、始めるぞー」

斎藤「すぅ…」

はやっ！！もう寝てるし！

ー90分後ー

『斎藤くん、起きて。終わったよ。』

斎藤「んーおはよー」

『よく90分も寝れるね。』

斎藤「夜型の人間だからねー
あ、Aちゃん今から用事とかある？」

『いや、ないよ。』

斎藤「じゃあ俺らの部室に来ない？」

部室…？

斎藤「俺、バンド組んでるから。」

あ、そっか。サークル活動だったんだ…

斎藤「あ、ちなみに大学側からは認められてない笑笑」

『え、それって大丈夫なの？』

斎藤「大丈夫大丈夫。バレなきゃいいの！」

わりと不良…？

斎藤「ついでに友達も紹介したいからさ。
どう？来ない？」

暇だしいいかな。

『うん。行くよ。』

斎藤「よし、決まり。こっちだよ。」

着いたのは古くて今はもう使われていない校舎。
大学の敷地内でもホントに端の方にあって、誰もここにはこないのだそう。

斎藤「どうぞ。」

『わっ…すごい…！』

中は本格的な部屋になっていた。
防音壁になってるし機材も揃っている。

斎藤「これ、俺らが作ったんだよ。」

『壁とか？』

斎藤「そうそう。機材も全部中古で買ったのを修理したりしてさ。」

『すごいね…驚いたよ。』

斎藤「ライブでお金稼いでもっといい機材とか買いたいんだけどね。
でもまだまだだから頑張らなきゃ。」

本格的に考えてるんだ。
ホントに音楽が好きなんだなぁ…

田淵「ちーっす」

斎藤「お、いいところに来た。
紹介するよ。ベースの田淵智也。」

『こ、こんにちは…』

田淵「誰？この子。」

斎藤「俺の友達。いいだろ。」

田淵「宏介が女の子連れてくるなんて初めてだな。よろしくね、えーっと…」

『あ、岡本Aです。
経済学科の一期生です。』

田淵「俺らと同い年なんだ。
俺は法学科。よろしくね。」

『よ、よろしくお願いします…』

斎藤「岡本さんは人見知りだからさ、最初は敬語だけどそのうち慣れたら結構喋るようになるよ。」