バイト歴 第34回 ページ39
Aside
翔「だからね、君も、もうひとりじゃないんだよ」
泣く直前のような、そんなかすれた声で静かにこの世に落ちた言葉は
私の心を揺り動かすのに十分な力を持っていた
『ごめん、なさっ、い、ごめ、んなさい』
このままずっと、人を苦しめていかないといけないんだと思っていた
たったひとりで、重い十字架を背負って
仕方ないと思ってた、それだけの事をしたから
でも、違った
ずっと画面越しに懺悔していたその人は、あたたかくて、本当の意味で強い人だった
天「もう、バレてるだろうけど、僕が天月です」
どこまでも澄んだその声は、私の壊れかかった心を優しく繕っていく
天「たぶん、坂田のことも知ってるよね…今から坂田に事情話して診てもらおう？」
「でも、そんなこと…」
できません、と言おうとした私を遮って天月さんはぎこちない笑みで
泣き顔、誰にも見られたくないでしょ？と言った
本当に、この人はどこまで暖かいんだろう
天月side
Aちゃんが泣き疲れて助手席で眠りについてから
天「prrr…prrr…あ、もしもし、坂田？うん、ごめん、今から連れてく子診てもらってもいい？」
症状を伝え、必要最低限看病に必要なものを聞いて電話を切った
まふくん、怒ってるかな
意味わかんないこと言ってたくせにって、呆れるかな
まだ、やり直せるかな
仲直り、したいな
小さく息を吐いて、停めていた車を走りださせた
まふまふside
坂田から伝達されて、あまちゃんが病気の子を連れてくることを聞いた
正直、昨日の今日でまともにあまちゃんの顔を見れるか分からない
冷静になったら、あまちゃんの言うことも最もだって気づけた
あまちゃん、許してくれるかな
また僕と、親友に戻ってくれるかな
僕は、笑顔で「おかえり」って言えるかな
数十分後＿
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
坂「あ、たぶんあまちゅじゃない？」
ドキドキと胸が鳴る、緊張してるらしい
でも、逃げちゃだめだ
このままあまちゃんと終われるわけがない
いつもよりゆっくりした足音が遠くから近づいてきて、だんだん大きくなる
天「あ…まふ、くん」
眉尻を下げたあまちゃんは、バツの悪そうな顔をしている
きっと僕もそれは一緒
ま「あまちゃん、ごめん。そして、」
おかえり、ありがとう
＿＿＿
再開後初更新！コメント読み直してたら泣けました。
応援ありがとうございます。
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雨夢(プロフ) - ふとんさん» ふとんさんありがとうございます！ここからどんどんクライマックスに向かってきますよ〜！閲覧ありがとうございます！ (2021年4月8日 18時) (
レス) id: 4203c96784 (このIDを非表示/違反報告)
ふとん - なんかシリアスになってきたッッッ！ (2021年4月8日 15時) (レス) id: 849ea30030 (このIDを非表示/違反報告)
雨夢(プロフ) - おもちてゃん。さん» おもちてゃんさんコメントありがとうございます！あっ、え、えと…ハンカチ入ります？？？？← 読んでいただきありがとうございます！ (2021年4月8日 7時) (レス) id: 4203c96784 (このIDを非表示/違反報告)
おもちてゃん。(プロフ) - えっあの過去編見てたら目から出てくる汗止まんないんですけど？？？(誉めてます) (2021年4月7日 23時) (レス) id: 9b4a9a9308 (このIDを非表示/違反報告)
雨夢(プロフ) - Lunaさん» Lunaさんコメントありがとうございます！ドキドキさせられて私は内心ニヤニヤです← 最後まで更新頑張るのでどうかお付き合いください(´ω｀) (2021年4月5日 11時) (レス) id: 4203c96784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨夢 | 作成日時：2019年3月10日 12時
