◆枡伸一郎【高校時代】★ ページ31
「ねぇマッスー、今日も小川君、アンパンマン歌うかなぁ?」
「………。」
「なんか妙にハマッてて、つい見ちゃうんだよねー。マッスーは気にならない?」
「………。」
「マッスー聞いてる?ねぇマッスーってばー。」
「だぁから!マッスーって呼ぶんじゃねぇって言ってんだろーが!」
くるっと振り向いて、俺はマネージャーの萩原に言った。
まったくコイツは、何度も何度も同じこと言わせやがって…!
「ごめんごめん。ついクセで。」
へへへ、と笑いながら言う萩原には、全く反省の色が見られない。
「ちゃんとキャプテンって呼ぶか、普通に枡って呼べよ。」
「だって今までずっとマッスーって呼んでたからさー。」
「俺は一度も許可した覚えはないけどな!」
「似合ってるのに。」
「そういう問題じゃねぇよ!」
「じゃあ伸ちゃん♪」
「人の話聞けよ!」
いつものごとく萩原に突っ込んだあと、俺は深いため息をついた。
俺と同学年の萩原は、ウチの部で唯一の女子マネだ。
仕事はできる方なんだが…何というか…性格がかなりマイペースなんだよな。
しっかりしてそうで、たまに天然レベルのボケをかましてくるし…。
そんな萩原に色々突っ込みながら同じ時間を過ごすうちに…いつしか俺は、萩原に対して特別な感情を抱くようになっていた。
…なってはいたが…。
中学、高校と野球漬けの生活をしてる俺が、女の子との距離の縮め方なんて知ってるはずもなく…。
俺はただいつも通り萩原に突っ込みながら、昨日と同じような今日を過ごしていた。
「じゃあマッスー、私ドリンク作ってくるねー。」
と、やっぱり俺の話を聞いてない萩原は、片手を上げて走っていく。
俺はその背中を見送りながら、再びため息をついた。
* * *
その後、今日の全体練習が終わり、部室で小島、小川と今度の練習試合についてミーティングをしていた時。
「…だから、コイツの前にランナー出さねぇように…って、聞いてんのか小川!」
「聞いてますよー。今日の夕飯がトンカツだったらいいなー、ってことでしょ、枡さん。」
「そりゃお前の今の願望だろーが!」
真顔で言った小川に条件反射で突っ込むと、小島が苦笑いを浮かべ、奥にいた萩原が吹き出した。
「あははは!今日も小川君とマッスーのコンビ最高!」
「あざっす、萩原さん。」
「コンビじゃねぇよ!」
「まぁまぁ枡。今日はこれくらいで大丈夫だろ。腹減らしてる小川に真面目な話しても無駄だしな。」
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雪星(プロフ) - *優愛*さん» 変なとこなんて全然ないですよ(^^;気に入ってもらえたようで良かったです(>_<)もっとちゃんとくっつけた方がいいかなぁ、とか思ってたので…(^^;文字数の関係で削りましたが、元カノとはけっこうすぐ別れさせてました(笑)応援ありがとうございます!頑張ります(^-^)/ (2016年2月2日 23時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
*優愛* - なんか…文章まとまってなくてすみません…><; 卒業後が見れた嬉しさ等で舞い上がったり興奮←してて…;;;変なとことかあったらホントごめんなさい!! (2016年2月2日 21時) (レス) id: b794b3e75b (このIDを非表示/違反報告)
*優愛* - 完結おめでとうございます。お疲れ様でした!東条君も夢主ちゃんも可愛くてホント最高でした!自分でもアホだと思いますが東条君の元カノに嫉妬しました(笑) 本当にありがとうございました!他作品でも応援してます!これからも頑張って下さい! (2016年2月2日 21時) (レス) id: b794b3e75b (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - *優愛*さん» あー、いやいや全然急かされたとか思ってないので大丈夫です!ストーリーを考える時に、高校時代から卒業後まで全体の大まかな流れを考えてから書いてるので、そんなに時間はかからないと思います(^-^)最後ですし、気合い入れて書いてきますね! (2016年1月31日 21時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
*優愛* - 雪星さん» やはりなってしまうものなんですね(笑)じれったい感じがたまらなく愛しいです(笑) 急がなくても大丈夫ですよ!雪星さんのペースで大丈夫ですからね?!急かすような発言をしてしまい申し訳ないです(>人<;) (2016年1月31日 19時) (レス) id: b794b3e75b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年10月9日 18時