7-2 二人の捕手(2) ページ6
「毎日、沢村につきまとわれてるみたいっスね…」
「あぁ…正直うんざりだ。」
「はははっ!」
Aが三人分のジュースを買っている間、御幸とクリスはベンチに座ってそんな会話をしていた。
やはり、沢村はクリスの金魚のフンを続けているようだ。
Aはガタンゴトンと落ちてきたジュースを取り出し、御幸とクリスに手渡す。
「あざっす。」
御幸はAにそう言うと、プシュッとプルタブを開け、一口飲んで喉を潤した。
「けど…アイツ、バカなりに野球を真剣に覚えようとしてますよ!今日だって人のプレー必死に見てたし。」
「…あぁ、そういえば、守備練習を一生懸命見学してたね…」
御幸とAのその言葉に、クリスは僅かに目を見張った。
「クリス先輩から見て、アイツどうですか?」
そのクリスに、御幸は静かに問いかける。
「荒削りな才能にあのムービング…
Aはカフェオレを飲みながら、御幸の話を聞いていた。
どうやら御幸は、沢村のことをある程度評価しているらしい。
…評価、というか、面白いオモチャを見つけて目を輝かせている子供のようにもみえるが…。
「あのバカの力を引き出せるのは、俺達
楽しそうな御幸の言葉に、クリスは一度目を見張り…視線を下へと落とす。
Aからもらったペットボトルを開けずにただ見つめながら、クリスはゆっくりと口を開いた。
「…確かに素質は認める…」
クリスの口から沢村を評価するセリフが出るとは思ってなかったAは、思わず眉を上げた。
…が、続いたクリスの言葉に思考が止まる。
「だが、アイツの成長を助けてやれるほど、俺は大人じゃないんでな。」
そう言うと、クリスは御幸やAの方を見ずに立ち上がった。
「丹波と降谷…この二人をどうリードできるか…今年のチームのポイントはそこだな…」
そのままくるっと向きを変え、二人に背を向けて歩き出す。
「がんばってくれよ、正捕手。」
遠ざかっていくクリスの背中を、Aと御幸は無言のまま見つめていた。
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雪星(プロフ) - れいちぇるさん» こんばんは(^-^)/私も大好きです~(≧▽≦)なので気合い入れて書いてます(^^;はい、これからも頑張りますね!暫く原作丸写し気味な試合描写が続いてしまいますが…(^^; (2015年9月27日 19時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
れいちぇる - こんばんは。 この、クリス先輩がプレーするところ大好きです!!感動です!!!(´;∀⊂) これからも更新頑張ってください!! (2015年9月27日 0時) (レス) id: fe9e519966 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - *モッチー*さん» *モッチー*さん、初めましてこんばんは(^-^)/…うぉぇっ!?ぜ、全部ですか!?うわー、うわー、なんか恥ずかしくてワタワタしております(^^;でも嬉しいですありがとうごさいます(≧▽≦)はい、これからも頑張りますねー(^-^)/ (2015年9月1日 19時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
*モッチー*(プロフ) - 初めましてε(*゚∇゚*)ノ゙雪星さんの作品がどれも大好きで全部読んでいます! 春っちと初めて会話シーンみて、ついニヤニヤしてしまいました(笑)これからも頑張って下さい(´∀`*) (2015年8月31日 21時) (レス) id: 2a54e6e35a (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - まもたんさん» スッキリしていただけたようでよかったです(>_<)応援ありがとうございます(*^^*)はい、頑張りますね(^-^)/ (2015年8月24日 21時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年8月22日 12時