9-4 続・買い出し(1) ページ26
「降谷に手入れの仕方教えてやんねぇと…クセになったらマズいからさ。」
そう言われて、Aは降谷が以前の試合で爪を負傷したと聞いたことを思い出した。
「…あぁ、そういうことか。」
Aの言葉に御幸はニッと笑うと、場所を少し移動し、スポーツマニキュアを一つ手に取る。
「Aちゃんはマニキュアとか塗らねぇの?」
「んー、今はあんまり興味ないかな。バイトもあるし。」
「それもそうか。」
そう言うと、御幸はまた少し移動して、今度はバッティンググローブの前にやってくる。
「…新しいヤツ買うの?」
「そ。今のがくたびれてきてるから。…何色がいいと思う?」
「何色、って…」
予想外の質問が飛んできて、Aは棚に並んでいるバッティンググローブと御幸を見比べた。
御幸が今何色を使っているのかは知らないが…青道のあのユニフォームに合うのは、やはり黒か白か…もしくは青か…
「…あえて赤、とかね…」
ぼそっとAが呟くと、御幸は軽く目を見張った。
「赤?」
「目立つこと間違いなし。」
ニヤッと笑いながらAが言うと、御幸はプッと吹き出した。
「そりゃ目立つだろーけどさ…スイング3倍早くなるかな。」
笑いながら言った御幸のセリフに、今度はAが目を見張る。
『赤』『3倍』と言えば…
「…何なら手の甲辺りにツノつけてあげようか?」
「ぶっ…はははっ!なんでAちゃんが知ってんの?」
「…うちのお父さんが好きでね…」
某ロボットアニメのネタに乗った結果、御幸に爆笑されてしまい、Aは若干赤面しながら御幸から顔を逸らした。
その御幸は、お腹を抱えて笑いながら棚へと手を伸ばし、黒のバッティンググローブを手に取る。
「…なんだ、もう決めてたんじゃん。」
「ま、まぁね…くくっ…ツノか…」
「……あのね、御幸君……」
「ぶふっ…な、何?」
「笑いすぎだってば!」
ベシッ!、と、Aは遠慮なく御幸の肩を叩く。
「い、痛ぇ。」
叩かれた肩を押さえながら御幸が言うが、相変わらずその顔からは笑いが消えることはない。
「ちょっとAちゃん、俺の肩外れたらどうすんの?」
「そんな強く叩いてないでしょ!」
「ちゃんと看病してくれよ?」
「だから!何ともなってないでしょーが!ってかさっさと買ってきなさいよ!」
真っ赤な顔でレジの方向を指差すAにもう一度笑ってから、御幸はその方向へ足を向けた。
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雪星(プロフ) - れいちぇるさん» こんばんは(^-^)/私も大好きです~(≧▽≦)なので気合い入れて書いてます(^^;はい、これからも頑張りますね!暫く原作丸写し気味な試合描写が続いてしまいますが…(^^; (2015年9月27日 19時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
れいちぇる - こんばんは。 この、クリス先輩がプレーするところ大好きです!!感動です!!!(´;∀⊂) これからも更新頑張ってください!! (2015年9月27日 0時) (レス) id: fe9e519966 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - *モッチー*さん» *モッチー*さん、初めましてこんばんは(^-^)/…うぉぇっ!?ぜ、全部ですか!?うわー、うわー、なんか恥ずかしくてワタワタしております(^^;でも嬉しいですありがとうごさいます(≧▽≦)はい、これからも頑張りますねー(^-^)/ (2015年9月1日 19時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
*モッチー*(プロフ) - 初めましてε(*゚∇゚*)ノ゙雪星さんの作品がどれも大好きで全部読んでいます! 春っちと初めて会話シーンみて、ついニヤニヤしてしまいました(笑)これからも頑張って下さい(´∀`*) (2015年8月31日 21時) (レス) id: 2a54e6e35a (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - まもたんさん» スッキリしていただけたようでよかったです(>_<)応援ありがとうございます(*^^*)はい、頑張りますね(^-^)/ (2015年8月24日 21時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年8月22日 12時