8-4 練習試合結果(1) ページ15
その週の日曜日。
青道高校野球部は、一軍は帝東と、二軍は狛代と、それぞれ練習試合を行った。
Aは昼間、大学の友達と買い物に出掛けており、この日は夕方からの出勤だった。
厨房で配膳をこなしながら、今日の結果を誰かに聞くタイミングを計る。
一軍は降谷、二軍は沢村が先発したらしいが、果たしてどうだったのだろう。
…などと考えていた時、聞き慣れた声に呼び掛けられた。
「Aちゃーん。スマイル一つ♪」
「…出たな。」
カウンターに肘をついて身を乗り出し、相変わらずファーストフード店のような注文を飛ばしてくるのは、言わずと知れた御幸一也である。
「今日試合だったんだよねー。あー、疲れたなー。癒しが欲しいなー。」
ニヤニヤしながらわざとらしい発言を続ける御幸にため息を一つついてから、Aは顔を上げる。
「…お疲れ様でした。」
にっっっこり、と、これでも喰らえとばかりに満面の笑みで答えると、御幸は軽く目を見張ったあと、横を向いて吹き出した。
「わ、わざとらしい〜。」
「…このヤロウ…」
せっかく注文に答えてやったというのに、なんなのだ、その反応は。
ブスッとしながらも、Aは気になっていた今日の試合のことを聞いた。
「ねぇ、その今日の試合、どうだったの?一軍も二軍も、一年生が先発だったんでしょ?」
「ん?あぁ、そうそう。降谷は、調子は悪くなかったんだけど…爪やっちゃって、2回で降板。」
「爪…か…。」
降谷の投げる、高校生とは思えない豪速球。
あれだけの球を投げるのだから、指先にはかなりの負担がかかっているはずだ。
その負担に耐えきれず、爪が割れてしまったのだろう。
「しかもそのあと、日々のケアが足りてない証拠だ、って監督に怒られてさ。2週間投げ込み禁止だって。」
ニシシッと笑いながら御幸が言う。
嬉しそうに言う内容ではないと思うのだが…やはりこの辺が、性格に難ありと言われる所以なのかもしれない。
「…ま、いい機会じゃねーかな。アイツ、スタミナねぇから、走らせとかないと。」
フッとAから視線を外して御幸が続けた。
一瞬垣間見えた御幸の捕手としての顔に、何だかんだ言いながら流石だな、とAが少し感心した時。
「あ、あの、おかわりお願いしてもいいですか?」
桜色の髪の小柄な寮生がやってきた。
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雪星(プロフ) - れいちぇるさん» こんばんは(^-^)/私も大好きです~(≧▽≦)なので気合い入れて書いてます(^^;はい、これからも頑張りますね!暫く原作丸写し気味な試合描写が続いてしまいますが…(^^; (2015年9月27日 19時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
れいちぇる - こんばんは。 この、クリス先輩がプレーするところ大好きです!!感動です!!!(´;∀⊂) これからも更新頑張ってください!! (2015年9月27日 0時) (レス) id: fe9e519966 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - *モッチー*さん» *モッチー*さん、初めましてこんばんは(^-^)/…うぉぇっ!?ぜ、全部ですか!?うわー、うわー、なんか恥ずかしくてワタワタしております(^^;でも嬉しいですありがとうごさいます(≧▽≦)はい、これからも頑張りますねー(^-^)/ (2015年9月1日 19時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
*モッチー*(プロフ) - 初めましてε(*゚∇゚*)ノ゙雪星さんの作品がどれも大好きで全部読んでいます! 春っちと初めて会話シーンみて、ついニヤニヤしてしまいました(笑)これからも頑張って下さい(´∀`*) (2015年8月31日 21時) (レス) id: 2a54e6e35a (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - まもたんさん» スッキリしていただけたようでよかったです(>_<)応援ありがとうございます(*^^*)はい、頑張りますね(^-^)/ (2015年8月24日 21時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年8月22日 12時