【降谷暁の師匠】★ ページ15
コンコンコン
「はーい!今出まーす!」
そろそろ帰ろうかと制服に着替え終わったタイミングで、ドアがノックされた。
ガチャ、と開くと、そこにいたのは…
「あれ、降谷君。どうしたの?」
「…マッサージを、教えて欲しくて…。」
「マッサージ?」
聞き返すと、コクン、と頷く。
聞けば、ちょくちょく純にマッサージさせられているらしく、今日も呼ばれているそうだ。
ただ、毎回ダメ出しされるため、それを川上にポロッと漏らしたら、私が上手いから聞いてみれば?と言われたらしい。
「マッサージか…けど、私のマッサージはなぁ…」
「…何か、問題でも?」
「いや、問題というか…ま、いっか。久しぶりだし。あ、ちょっと待ってて。」
そう言うと、私はロッカーからある道具を取り出し、
「じゃ、行こうか。」
と、降谷君と一緒に御幸の部屋へ向かった。
***
部屋へ入ると、相変わらずそうそうたるメンバーが集まっている。
「おう降谷!遅かった…なんで…Aが…」
と、何かを察したのか純の顔が青くなってくる。
「出張マッサージでーす♪哲、ちょっと沢村借りるね。」
と、一声かけている間に純が起き上がろうとするから、
「降谷君、沢村、押さえて!」
二人に無理矢理押さえつけさせる。
「だああぁぁっ!!やめろ!離せー!!」
「いい?降谷君。よく見ててね。」
そう言うと、私は純の足をガシッと掴み、持ってきた『指圧棒』という名の武器を構えた。
「足の裏は、『第2の心臓』って言われるくらい、全身のツボが集まってるの。例えば足が疲れてるならこの辺…」
「っぬああぁぁ!!」
「へぇ…」
「肩ならこの辺…」
「ぎぃやああぁぁ!!」
「ほう…」
「首だったらこの辺ね。」
「や、やめ…いでええぇぇ…!」
「なるほど…」
「んじゃ、この指圧棒あげるから、しっかりほぐしてあげてね!」
「えっ?これ、貰っていいんですか?」
「いいよー。100均で売ってるし。」
そう言うと、降谷君はなんだか嬉しそうに指圧棒を眺めていた。
「これで…僕も、A先輩のような足ツボマッサージャーに…」
「…A…お前、余計なこと、教えやがって…!」
すでに虫の息の純にギロッと睨まれたけど、すぐに降谷君が指圧棒を構え、グリグリやり始めた。
「師匠のこと、悪く言わないでください。」
「んがああぁぁ!!フルパワーでやるなあっ!!死ぬー!!」
…この日、なんか思いがけず、弟子ができたのだった…。
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暇人 - フランス革命さん» ちゃんと読んでなくて草。中学生ではないネタ何個もあるのに。 (1月6日 11時) (レス) id: 9409c0bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
味塩 - すごく好みで面白かったです!!ギャグ夢大好きで、夢主のノリも理想通りで本当に最高でした…!全シリーズ読んだのですがまた最初から読みたくなっちゃいました。どれもそのキャラらしさが出ていて本当に面白いです (2022年10月27日 1時) (レス) id: 2296c25889 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。亮介さんLoveなので、本当はこのキャラでの長編が読みたいですが、続きも楽しみです。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
フランス革命(プロフ) - 中学生バレバレで草。高校のテストこんな甘くねーよ (2019年7月29日 21時) (レス) id: 6067ba3fc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年6月7日 16時