8話俺と飲み屋 ページ8
「知友くん、飲んで飲んで」
「……一杯のんだらマジで帰りますから」
「はいはい。わかったわかった」
結局断りきれず来てしまった知友。こんなことになったのは声優になって以来始めてだった。
西山いわく似た者同士な二人であるため、飲みに誘うという行為を梅原はさしてしてこなかった。それすらも押し切り彼が知友を誘ったのは興味ゆえか心配ゆえか……。
「……。あの、なんか話あって呼んだんですか？」
「ん？何が？」
「はあ、
わざわざ金と時間を費やしてまで、こんなことする意味ってなんですか？」
「楽しいからじゃない？」
梅原の視線につい、ながされそうになった。
「別に楽しくないんですけど……」
「じゃあ知友くんは何してる時楽しいの？」
楽しいとき…いつだろう。
考えたことなどなかったのだ。楽しいということを。目先の日常をクリアしていくことだけで充分だと思っていた。
「知らない」
「それ、知らないんじゃなくて忘れたんじゃないの？」
間を入れずに放たれた言葉に知友は少しうろたえる。
「アニメか映画の見過ぎです。あなたに何か分かるとお思いですか？
俺、今日は帰ります」
「待って、まだ一杯も飲んでない。約束でしょ？
これ以上嘘つくつもり？」
梅原の射抜くような視線が知友の気持ちを揺らがせた。
「……それって、ファンの方への話してます？
俺の嘘はファンサのはんちゅうですが」
「違うよ。俺らに対して」
俺らに対して……つまりは共演者に対して知友が嘘をついているという意味。
否定は出来ない。むしろ本当の事を言った回数の方が少ないかもしれない。
たが、知友にはそれが不思議だった。何故、"梅原裕一郎にそれがバレたのか"
彼と話したことなど無かったのに。
「……なんで」
知友の問いかけには答えず、そっと微笑とともに見つめる梅原。
現時点で彼が何か知っている事は間違えなさそうだ
「……バラされたくなければ言うことを聞け…と？」
「ふふっ、そんな野蛮な事はしないけどさ。
俺と飲んでよ。とりあえず」
「あなたのしたいことがわかりません」
そうは言いつつ知友はグラスをもった。
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。#vll - 鰓呼吸さん» 更新お疲れさま〜。 (2019年10月18日 23時) (
レス) id: 01ebef5845 (このIDを非表示/違反報告)
鰓呼吸 - アジフライさん» あ、すいません！！今直しました。多分これでできるかと…… (2019年10月18日 10時) (レス) id: ec48264a34 (このIDを非表示/違反報告)
アジフライ - 名前変換なってなくないですか？ (2019年10月18日 3時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)
鰓呼吸 - 短気っきーさん» ありがとうございます！更新頑張れる気がします！！！ (2019年10月17日 0時) (レス) id: ec48264a34 (このIDを非表示/違反報告)
短気っきー - 面白かったです！更新頑張って下さい！ (2019年10月16日 23時) (レス) id: b716b56083 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鰓呼吸 | 作成日時：2019年10月14日 21時
