続・Only your knight ページ7
至さんの部屋を綺麗にしてやった後、
寮内を走り回ってAを探す。
しかしどこを探してもAは見当たらない。
まさかあの姿のまま外に出たんじゃ、とまで考えたが、それは取り越し苦労に終わった。
『あ、万里〜』
万「A！」
『？どうしたの、そんな慌てて』
目の前に現れたAはいつも通りの姿だった。
走り回ったことで荒くなった息を整えつつ、
俺はAに問うた。
万「あれ、お前、あの格好は…？」
『ああ、カズのインステのやつ？もう終わり』
万「そ、だったのか…」
ほ、と安心から一息ついた。
あの姿のAが寮にいれば、
勘違いする奴も少なくないだろうと危惧したのだ。
『万里も見たんだね、あの写真』
万「ああ、まあ…」
『どうだった？』
万「どうって…」
正直に言ってしまえば、かなり似合っていた。
その場にいなかったのが悔やまれるくらいに。
だがそんなこと、簡単に口に出せない。
なかなか言葉を発さない俺を不思議に思ったのか、Aは首を横に倒す。
俺はバカみたいに顔中に熱が集まっているのを自覚しながら、Aの目を見れないまま答えた。
万「……に、似合ってた…」
『え？』
万「〜〜っ、なんでもねぇ！」
か細い俺の声はAに届かなかったようだ。
それがまた更に恥ずかしくなり、
俺は無理やり誤魔化した。
Aは『ちぇー』なんて言いながら
今度は思い出したように声をあげた。
『そういえば、いま臣がクッキー焼いてるんだよ。万里も一緒に食べよ』
万「あ？…あぁ、そうだな」
やけに嬉しそうに笑うAに、
ま、いいか なんて気持ちになった。
後ろをついていく途中で、
Aがこちらを向いた。
『今度は万里の為だけにあの格好してあげる』
万「は！？」
ふふ、と含み笑いをしたAに、
脳の処理が追いつかず、少しばかり呆然とした。
次第に理解していくその言葉の意味に、
俺は声を荒げざるを得なかった。
万「お前聞こえてたんじゃねぇかーー！！！」
Act.5 三匹の狼【茅ヶ崎至・卯木千景・摂津万里】→←Act.4 Only your knight【摂津万里】
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なる(プロフ) - 求めてた主人公…面白いです！！！ (2019年11月20日 14時) (
レス) id: 6c98839274 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すごくおもしろかったです！続きが気になります！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年8月12日 16時) (レス) id: 94bf85f3ba (このIDを非表示/違反報告)
とりさん(プロフ) - 是非、続きが見たいです！ (2018年12月15日 0時) (レス) id: b16a249822 (このIDを非表示/違反報告)
たかはし(プロフ) - いやもうこれあかんですよ……私のツボを的確に押してくる感じ……あなた神ですか？ (2018年9月15日 23時) (レス) id: b1c8d6ac09 (このIDを非表示/違反報告)
朧流水斬(プロフ) - umiさん» 今更ながら勉強合唱という恥ずかしいミスを見つけてしまいました…失礼しました！合宿です！ぜひまたリクエスト失礼しますね！ (2018年7月26日 20時) (レス) id: 5d1985f1dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：上原 | 作成日時：2018年7月20日 23時
