Act.22 雪白 東 ページ23
東「ねえキミ、初めましてだよね?」
みんなと晩ご飯を済ませ、いつもより早めの晩酌をしようと思っていたところに、今日の席でみんなに人気だった美形さんがいた。
ボクは彼に興味が湧き、晩酌に誘おうと声をかけた。
『はい。三浦Aです』
東「ボクは雪白東。よろしくね」
『よろしくお願いします』
東「Aって、いま何歳?」
『20ですけど…』
それなら良かった、とボクは言葉を続ける。
質問の意図を理解してない彼は、ボクに手を引かれたままついていく。
ーーーーー
東「今日は白ワインの気分かな。飲んだことある?」
『ないですね』
東「じゃあ、初めてだね」
Aを連れて自室に戻り、用意した白ワインを開ける。
臣にあらかじめ頼んでおいたおつまみも用意して。
二人分のグラスに白ワインを半分ほど注ぎ込み、Aに渡し、改めて乾杯をする。
『わ、美味しい』
東「でしょ?これ、ボクのオススメ」
『初めて飲んだけど、飲みやすいですね』
Aはワインの美味しさと飲みやすさのせいか、どんどん飲み進めていく。
ボクは空になるグラスにワインを注ぎ、Aを眺める。
意外とお酒は弱いのか、もう頰が赤くなってきている。
東「Aって結構お酒弱い?」
『へ?…いや、そんなことない、と思いますけど…』
東「ふふ、顔赤いし呂律が回らなくなってきてるよ」
『ん…ちょっと、ペース早かったかもです…』
ボクはAの隣に移動して、少しでもラクになるようにと肩を貸した。
Aは素直にボクの肩に頭を預ける。
東「ごめんね、ちょっと注ぎすぎちゃったかな」
『いえ…美味しかったです…』
東「眠い?」
『ん…ちょっと…』
Aはそう言いながら自分の頭をぐりぐりと擦り付ける。
まるで甘える猫のようだ。
そう思っていると、不意にAは顔を上げた。
上目遣いの端正な顔が、近くにある。
『あずまさん…いい匂い、ですね…』
東「ーっ」
ふにゃ、ととろけた微笑み、潤んだ紫の瞳、赤く染まった頬、呂律の回らない甘えた声音、お酒に混ざって漂うAの香り。
視覚と聴覚と嗅覚、その全てがボクの意識を奪った。
Aはそのままゆっくりと意識を手放し、ボクの方に倒れてきた。
自然と膝枕をする形になり、Aを見るともうすでに寝息を立てている。
東「…おあずけくらっちゃったな」
そう呟いたボクは、Aの頭を愛おしそうに撫でた。
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みうら(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!不定期更新にはなりますが頑張ります。どうぞ宜しくお願いします。 (2018年7月5日 3時) (レス) id: 35ea4b997f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 面白いです。続き楽しみにしてます。頑張ってください!応援してます。 (2018年7月5日 1時) (レス) id: a38a23f7c7 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - めぐりさん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります。どうぞ宜しくお願いします。 (2018年7月4日 20時) (レス) id: 883feb171c (このIDを非表示/違反報告)
めぐり - 大好きです!応援してます! (2018年7月3日 21時) (レス) id: 993c3cdf12 (このIDを非表示/違反報告)
みうら(プロフ) - なかやさん» 閲覧・コメント・応援ありがとうございます。もっと楽しんで頂けるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします◎ (2018年6月25日 17時) (レス) id: 883feb171c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:上原 | 作成日時:2018年6月22日 20時