検索窓
今日:1 hit、昨日:26 hit、合計:202,374 hit

Act.22 雪白 東 ページ23

東「ねえキミ、初めましてだよね?」



みんなと晩ご飯を済ませ、いつもより早めの晩酌をしようと思っていたところに、今日の席でみんなに人気だった美形さんがいた。

ボクは彼に興味が湧き、晩酌に誘おうと声をかけた。



『はい。三浦Aです』

東「ボクは雪白東。よろしくね」

『よろしくお願いします』

東「Aって、いま何歳?」

『20ですけど…』



それなら良かった、とボクは言葉を続ける。

質問の意図を理解してない彼は、ボクに手を引かれたままついていく。


ーーーーー


東「今日は白ワインの気分かな。飲んだことある?」

『ないですね』

東「じゃあ、初めてだね」



Aを連れて自室に戻り、用意した白ワインを開ける。

臣にあらかじめ頼んでおいたおつまみも用意して。

二人分のグラスに白ワインを半分ほど注ぎ込み、Aに渡し、改めて乾杯をする。



『わ、美味しい』

東「でしょ?これ、ボクのオススメ」

『初めて飲んだけど、飲みやすいですね』



Aはワインの美味しさと飲みやすさのせいか、どんどん飲み進めていく。

ボクは空になるグラスにワインを注ぎ、Aを眺める。

意外とお酒は弱いのか、もう頰が赤くなってきている。



東「Aって結構お酒弱い?」

『へ?…いや、そんなことない、と思いますけど…』

東「ふふ、顔赤いし呂律が回らなくなってきてるよ」

『ん…ちょっと、ペース早かったかもです…』




ボクはAの隣に移動して、少しでもラクになるようにと肩を貸した。

Aは素直にボクの肩に頭を預ける。




東「ごめんね、ちょっと注ぎすぎちゃったかな」

『いえ…美味しかったです…』

東「眠い?」

『ん…ちょっと…』




Aはそう言いながら自分の頭をぐりぐりと擦り付ける。

まるで甘える猫のようだ。

そう思っていると、不意にAは顔を上げた。

上目遣いの端正な顔が、近くにある。




『あずまさん…いい匂い、ですね…』

東「ーっ」



ふにゃ、ととろけた微笑み、潤んだ紫の瞳、赤く染まった頬、呂律の回らない甘えた声音、お酒に混ざって漂うAの香り。

視覚と聴覚と嗅覚、その全てがボクの意識を奪った。



Aはそのままゆっくりと意識を手放し、ボクの方に倒れてきた。

自然と膝枕をする形になり、Aを見るともうすでに寝息を立てている。



東「…おあずけくらっちゃったな」



そう呟いたボクは、Aの頭を愛おしそうに撫でた。

Act.23 ガイ→←Act.21 瑠璃川 幸



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (207 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
478人がお気に入り
設定タグ:A3! , エースリー , 男主   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みうら(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!不定期更新にはなりますが頑張ります。どうぞ宜しくお願いします。 (2018年7月5日 3時) (レス) id: 35ea4b997f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 面白いです。続き楽しみにしてます。頑張ってください!応援してます。 (2018年7月5日 1時) (レス) id: a38a23f7c7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めぐりさん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります。どうぞ宜しくお願いします。 (2018年7月4日 20時) (レス) id: 883feb171c (このIDを非表示/違反報告)
めぐり - 大好きです!応援してます! (2018年7月3日 21時) (レス) id: 993c3cdf12 (このIDを非表示/違反報告)
みうら(プロフ) - なかやさん» 閲覧・コメント・応援ありがとうございます。もっと楽しんで頂けるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします◎ (2018年6月25日 17時) (レス) id: 883feb171c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:上原 | 作成日時:2018年6月22日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。