Act.16 斑鳩 三角 ページ17
今日はいつもより綺麗な三日月が出ていた。
せっかくの三日月日和に、お月見をしないともったいないと思ったオレは、お気に入りのさんかく屋根に登ってお月見をしていた。
するとバルコニーの方から足音が聞こえ、誰だろうと思って覗いたら、月明かりに反射して鮮やかに光る黒髪が見えた。
もしかしてお月見仲間かと思ってバルコニーに飛び移った。
『うわっ！？』
三「あ、ごめんね〜。びっくりさせちゃった？」
『そりゃ突然上から人降ってきたら誰だってびっくりするよね…』
三「あはは、ごめんね〜」
よく見ると劇団の人じゃないことがわかった。
誰だろうと思っていると、それを察したのか自己紹介をしてくれた。
『三浦Aだよ。今日から住み込みで働くことになったんだ』
三「そうなんだ〜。オレは斑鳩三角だよ〜』
『三角くんね。というか上で何やってたの？』
三「お月見してた！」
屋根の上で…？と言いながらAは怪訝な顔をする。
オレはそうだ！と思ってAを担ぐ。
Aは怪訝な顔を崩さない。
三「一緒にお月見しよ〜！」
『えっちょ、待ってまさかこのまま…』
三「それ〜！」
Aを担いだまま屋根へと飛び移る。
隣でぐえっという声が聞こえたけど、気にしない気にしな〜い！
トンッと屋根に着地すると、一番綺麗に見える場所まで移動し、Aを下ろす。
『死ぬかと思った…』
三「見て〜！綺麗なさんかく〜！」
『マイペースだな…』
そう言いながらAはオレの人差し指の先を見る。
そこには大きな三日月が煌々と輝いていた。
ほへ〜…と呟いて三日月を眺めているAに、綺麗でしょ？と聞こうとした時、
三「ーー。」
オレの方が固まってしまった。
月明かりに照らされた紫の瞳は、より一層輝きを増してキラキラ光っていた。
それは三日月よりもはるかに輝いて、オレは目を離せなかった。
『すごいね、大きいし綺麗』
三「えっ…あ、そうでしょ〜！ココ、オレのお気に入りの場所！」
『いいね、またお月見やるときは誘ってよ』
三「もちろん〜！」
オレは平常を装っていたが、心臓は速く、身体中が熱かった。
戻りたいんだけど、というAの声を聞いて、また担いで飛んでバルコニーに戻った。
地に足をつけたAは一息ついて、
『楽しかったよ。ありがとね』
そう言ってAはどこかへ行ってしまった。
オレは未だ速く波打つ心臓を鎮めるために、もう一度屋根に登った。
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みうら(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！不定期更新にはなりますが頑張ります。どうぞ宜しくお願いします。 (2018年7月5日 3時) (
レス) id: 35ea4b997f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 面白いです。続き楽しみにしてます。頑張ってください！応援してます。 (2018年7月5日 1時) (レス) id: a38a23f7c7 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - めぐりさん» ありがとうございます！これからも更新頑張ります。どうぞ宜しくお願いします。 (2018年7月4日 20時) (レス) id: 883feb171c (このIDを非表示/違反報告)
めぐり - 大好きです！応援してます！ (2018年7月3日 21時) (レス) id: 993c3cdf12 (このIDを非表示/違反報告)
みうら(プロフ) - なかやさん» 閲覧・コメント・応援ありがとうございます。もっと楽しんで頂けるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします◎ (2018年6月25日 17時) (レス) id: 883feb171c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：上原 | 作成日時：2018年6月22日 20時
