Act.12 御影 密 ページ13
いつものように中庭にあるお気に入りのダンボールの中で猫と一緒に昼寝をしていると、天馬の声と聞き慣れない声が聞こえた。
のそのそと起き上がり、ダンボールから覗いてみると、綺麗な黒髪が目に入った。
ーーいつかの彼の姿を、また見たのかと思った。
じっとその姿に見惚れていると、黒髪と目が合った。
『ダンボールに人…？』
そう呟いた黒髪は、俺に近づいて目線を合わせるために屈んだ。
『どうも、今日からお世話になります、三浦Aです』
密「……御影密」
『密さんね、よろしくです』
もぞもぞと俺の服が動いたかと思うと、さっきまで一緒に昼寝していた猫が飛び出していった。
そのままAの元へ向かって行ったかと思うと、Aの足にすりついて喉を鳴らし始めた。
『ふふ、お前可愛いね』
密「…その子は、あんまり人に懐かない」
『そうなの？』
椋に懐くのも一週間ほどかかった、一番懐きにくい白猫があっという間に懐いた。
この人は一体何者なんだろう。
白猫の頭を撫でて微笑んでいるAを見つめていると、不意に目が合った。
Aは微笑んだまま、俺の方へ手を伸ばして、
『密さんも、猫みたい』
密「ーーっ」
俺の頭を撫でてきた。
普段、他人に対して警戒心の強い俺は、動けなくなったことにただ呆然としていた。
その間にも撫でられる頭から伝わるあたたかい熱が、俺の心をさらに溶かしていく。
密「…A」
『ん？』
密「こっち来て」
Aは言われるがまま一人分でほぼスペースの埋まったダンボールに入って来た。
ぎゅうぎゅうになったダンボールの中で、俺はAに抱きつく。
気のせいか、懐かしいような甘い匂いがする。
『…密さんて、結構甘えたさんですか？』
密「…別に、そんなことない」
『そっか』
それ以上は何も言わずに、ただただ俺の頭を撫でてくれるA。
俺はまぶたが重くなっていくのを感じながらそのままAに身を委ねて目を閉じた。
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みうら(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！不定期更新にはなりますが頑張ります。どうぞ宜しくお願いします。 (2018年7月5日 3時) (
レス) id: 35ea4b997f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 面白いです。続き楽しみにしてます。頑張ってください！応援してます。 (2018年7月5日 1時) (レス) id: a38a23f7c7 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - めぐりさん» ありがとうございます！これからも更新頑張ります。どうぞ宜しくお願いします。 (2018年7月4日 20時) (レス) id: 883feb171c (このIDを非表示/違反報告)
めぐり - 大好きです！応援してます！ (2018年7月3日 21時) (レス) id: 993c3cdf12 (このIDを非表示/違反報告)
みうら(プロフ) - なかやさん» 閲覧・コメント・応援ありがとうございます。もっと楽しんで頂けるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします◎ (2018年6月25日 17時) (レス) id: 883feb171c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：上原 | 作成日時：2018年6月22日 20時
