file.77 会いたくて(降谷side) ページ4
降谷side
ーー汚れた仕事の後は、必ずAに会いたくなる。黒の組織に潜入した今では、前より強くそう思うようになった。会いたいと入れたら私も会いたいと返ってきた返事に、さっきまで冷めていた心が温かくなるのを感じた。一度マンションに帰って血の臭いを洗い流し、米花駅でAと待ち合わせる事にした。
降谷「ーー１時間前に着いたか。珈琲でも買うか…」
腕時計を見ると、待ち合わせの時間よりかなり早く着いた。いや、早すぎるくらいか。…どれだけ会いたいと言う気持ちが先走ってるんだ。待っている間に飲もうと車を降りると、駅の方から此方に歩いてくる女性。俺が見間違える筈もない、Aだ。Aは俺に気付くと、驚いた顔をしたが、すぐに少し拗ねたような顔をした。
A「…私が先に来て待ってようと思ったのに…」
いつも待って貰ってるから。そう呟いたAの顔は、子供のように少し頬を膨らませる。…あぁ、もう。それすらも可愛いから、思わず抱き締めたくなる。Aをエスコートして車に乗せ、そして抱き締める。
A「とっ透くん!?」
急に抱き締められて驚いた声を出すA。久し振りに抱き締めたAは、フワッと良い香りがした。フローラル系の、Aにぴったりの香り。
安室「A、香水を変えましたか??」
A「そうなの。前に使ってた香水切れちゃって、新しい香りを試してみたの。透くんみたいに大人っぽい香水は付けられないけど、自分で付けて恥ずかしくない香りを選んだつもり。其処まで甘くなくてお気に入りだから、気付いてくれて嬉しい」
気付いて貰えたのがよっぽど嬉しいのか、拗ねてた顔を笑顔にして話す。Aの表情は、俺の前だけで変われば良い。−−独占欲、と言う言葉が頭に過る。いっそこのまま、Aを…。…なんて、公安である俺がこんな事を考えるなんてな。Aと、此処では言えないような事をしたい。Aを安室名義のマンションにこのまま連れて行きたいくらいだ。
A「透くん、今日は泊まるって言ってきたから。だから、その…このまま連れて行って??」
君は俺の心の中を読んだのか??伏せ目がちに、それでいて少し赤くなった頬。抑えようとしていた理性が、粉々に砕ける音がした。Aに貪るようなキスをしてしまった。…あぁ、頑張って抑えてたんだがな…。
安室「煽ったのはAですからね、覚悟して下さい」
Aは小さく頷き返し、それを見届けてマンションに向かった。
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葦原 さくら(プロフ) - やっちさん» 優しいお言葉、とても励みになります。リハビリがてら１話アップさせて頂きました。此処に来る頻度は低いですが、少しずつ書いていって、この作品や他作品も完結はさせたいと思っております。これからもこの作品をどうぞ宜しくお願い致します (2022年11月26日 23時) (
レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - さくらさん大丈夫ですか？ショックでしたね。続きは読みたいですがお元気になるまで待ってます (2022年8月12日 4時) (レス) @page9 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
天然水 - せっかく楽しみに待ってたのに (2022年7月19日 14時) (レス) @page7 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葦原 さくら | 作成日時：2020年1月3日 22時
