溺愛される鬼少女② (ページ49)

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柱合会議② ページ49

「ふふ。話はしっかり聞こうね」

とお館様に言われてもう私は生きていけない。
柱に睨まれるし、恥ずかしいし。

「スミマセン」

「…彩の件だよ。柱の皆は怒っているけれど、Aは彩を許したんだよね」

「その話ですか…そうですよ」

頷くと柱のみんなは驚いた。

「なんで許したんだよ」

「私怒ってないですからね」

「彩にもかァ？」

「怒りません」

彩さんの事情はよく分からないから
みんなに話すわけにはいかない。

炭治郎に聞いたことも。

「お前の頭は理解出来ない。なぜ許せる？」

「小芭内さんには理解出来なくても、これが私ですから」

とりあえず適当に誤魔化しておこう。

「でも…Aちゃんばかり我慢して胸が痛いわ」

「嗚呼…君が我慢することではない…」

みんなが次々と否定の意見を言う。
私は立ち上がってみんなのほうを見た。

「私は怒れる立場じゃありませんから」

「なぜそう思うのかな？」

お館様にそう聞かれて
…たぶん、いや。絶対怒られると思うけど。

「私が鬼だからです」

そう言うしかなかった。

「確かに君は鬼だがその発言は許されない！！」

「鬼だからなんだと言うのだ」

まあ責められたけどな。
鬼だから！って言ったらすごく怒られそうだから黙るね。

「そうですよ。確かに私たちはAを責めたかもしれません。でも、心にもない言葉です」

「それにお前は人間を喰わないだろう」

しのぶさんは私が気にしてると思ってるんだろう。
義勇さんはなんかもう違う気がするけど。

「深い意味はないですよ。少なくとも私は人ではありません」

例え、中身が人間だとしても
人を喰わなくても鬼であることは変わらない。

「もういいじゃん。あの人辞めされたら」

「無一郎くん話ずれてるからね」

まあそっちのほうが無一郎くんらしいけどね。
これとそれは違うから。

「私はAの意見を尊重したいと思ってる。確かにみんなも辛い思いをしたし、Aのために言っていることは分かってるよ」

微笑んだお館様は静かに話す。

「けどこの件はAの意見を尊重するべきだ」

当の本人が言うんだからね。とおっしゃってくださった。