溺愛される鬼少女② (ページ1)

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違和感③ ページ1

「しのぶさんはいつも通りなんだけどな」

しのぶさんは毎日一緒に過ごしてるから違うところがあったら私も気づくはず。

「私が何かしたのかもしれない」

あの時に出した手紙に変な事を書いた？
いや、いつも通りだったはず…

たぶん。

「でもおかしなことがあるんだ」

そう口を開いた炭治郎。
私たちが首をかしげると

「いつもと違う匂いがする」

と言った。
いつもと違う匂い？

「それって、どういう匂い？」

「甘くてキツい匂いだ。頭がおかしくなりそうな…それを嗅いでると気分が悪くなる」

判断が鈍くなるのは炭治郎の鼻が良すぎてじゃないの…？

「俺はそんな匂い気づかなかったけど…」

「それは鼻の問題」

「でも俺は気持ちの変化は気づかなかったよ、匂いのせいで鼻が役に立たないから」

それが一番の問題なんだよね。

「柱の様子がおかしくなってから出会ったのは、富岡さんと甘露寺さん以外の柱だけど、全員音が変だった」

最近は単独任務に行ってる善逸たち。
それで出会った時もあったんだろう。

結構出会ったね。

「俺も何人かに出会ったけど全員変な匂いがしたから、関係あると思う」

その匂いが何かを起こしてる。

ふたりの考えはそうみたい。
私はあまり深く考えないことにした。

だって、疲れるもん。

「おい、A」

考える事を放棄していたら誰かの手が私の頭に乗った。

「…伊之助」

わ、忘れてた…

「半々羽織が呼んでるぞ」

ムッスゥとした伊之助は絶対怒ってるだろう。
も、申し訳ない。

「ごめんね？伊之助、あとこれあげる！」

とりあえず御萩を押し付けた。
義勇さん探そう。

「あ、A…」

と心配そうな声が聞こえたけど大丈夫と手を振って走った。

・

「義勇さん！」

「A、来たか」

義勇さんは探すまでもなく私の部屋にいた。
…勝手にね。

「それで、どうしたんですか？」

「いつも通り、接吻を頼む」

この人って意外と一番私の力を頼ってくれる。

「…特別ですよ」

だから何となく好きだな。
なんて思って、唇に接吻を落とした。