溺愛される鬼少女② (ページ33)

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信じてたから③ ページ33

「うどん3つお願いします」

「はいよ」

小さなうどん屋に入って頼む。
いやあ、久しぶりの外食。

「うどん食べるの久しぶりです」

「僕も」

私の隣には無一郎くん。
目の前には杏寿郎さん。

「俺はよく食べる！」

「そうなんで…すね…」

杏寿郎さん越しに人が座ってるのが見えた。
…あれは…

「悲鳴嶼さんだ」

そう無一郎くんが言った。

「悲鳴嶼さん！！」

私も大きな声で呼んだ(迷惑
他のお客さんにガン見されました。

「…南無…まさかここで出会うとは」

そう言いながら杏寿郎さんの隣に座る悲鳴嶼さん。
…座るんだ？しれっと。

自然すぎて突っ込めない。

「玄弥は元気になりましたか？」

「…ああ。君のおかげだ」

そのあと謎の沈黙が続いた。
…き、気まずい。

なんでみんな黙るの？なんなの？

「私は信じたいものを見つけた」

「…？」

何の話…あ、あの時の話だ。

「…偉そうに言ってすみません」

なんかすごく上から言ったような感じだったもんなあ、私。

「私が悪かった」

「悲鳴嶼さんも謝りに来たの？」

「…お前たちも謝ったみたいだな」

杏寿郎さん静かだな…と思ったら寝てた。
任務終わりだったのかな？

「もういいんですよ！謝られすぎて頭おかしくなりそう」

おっと。本音が出てしまった。

「うどんお待ちー！」

いいタイミングでうどんが来てくれた。

「寝てしまっていた！！」

「でしょうね。うどんです」

杏寿郎さんも起きたところでうどんを食べる。
…なんて美味しいの。結婚したい。

「うまい！！うまい！！」

…周りの視線が痛い。
杏寿郎さんと話したの久しぶりで忘れてたけど、
うるさいんだったこの人。

「それで、A…」

「何ですか？」

また話を戻すつもりだな？

「私は君を信じる」

「…ありがとうございます」

なんだかちょっと泣きそうになったのは
うどんが美味しすぎるせいだろう。

…うん。きっとそうよ。