Rain of the flower (ページ2)

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Ai in a seA ページ2

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私は海が好きだ。とくに夜の海が。
インディコライトのような深い藍色と静かに打たれる波の音を聴くと落ち着く

だから嫌な事があった時は必ずそこに行く

今日は学校で上手くいかなくて落ち込んでいたので足を運んだ

潮の香りが鼻をくすぐる
ツーンとした匂いが良い

今日は曇りだ海面に重くのしかかる雲がどこか憎らしい

普段は私だけなのに今日は先客が居た

…？海に入ってる、？

｢ねぇ！なにしてるの！！｣

大声で話しかけないと聞こえない距離
あなたは気付かない。私はもう一度呼びかける

｢ねえってば！！この季節に海入ったら死んじゃうよ！！｣

今は12月下旬。しかも夜だ
入ったら凍死しちゃうに決まってる

…!やっと振り向いた
暗くて顔がよく見えない
荒々しくけれど静かに音をたてて彼は私の前に立った

｢……なぜこんな時間に海へ来てるの｣

可愛い顔には不釣り合いな低音の声
それが妙に心地よかった

｢…私はよくここに来るの

あなたこそどうしてこんな時間に？｣

私は問う。すると彼は

｢別に何も｣

と言った。

私は無愛想だなと思いながらも相槌をうった

｢私はさ、落ち込んだり、辛いことがあった時にここに来るようにしているの

波が感情をもっていってくれるような気がして。深い海の底に沈んで私の気持ちは藍色に紛れるの｣

君と僕は似ているね。横に座った彼が口を開く
さっきのような無感情な声じゃない

｢君もそうなの？｣

頷いた彼はゆっくりと立ち、海に向けて小石を放った

｢うん。夜の海は僕の心を見透かしてるみたいに僕の感情をさらっていくんだ

ほら、一緒でしょ？

ねぇ、

僕はね、＿＿＿＿。｣

そしたら君みたいな子が来た時に話を聞いてあげられるのに。僕が全部奪って遠くへ流してあげられるのに。

なんてね。

遠い海を見つめた君がそう言って
バカにしたように、淋しげに笑った

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海に溺れた哀