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*
朝、太陽が昇る。
起き出した我々は、また食糧採集に向かってから集結する。何人もいると大変なんだね、と研磨さんはぼそりと言った。
軽く腹ごしらえをしながら、この後のことについて話す。研磨さんに話を聞いたことで方角が分かり、彼の村とは反対方向に行けば何かしらがあるらしい。
大王の城は遠いけど、と。そこまで長く歩いてきたつもりはなかったけれど、おそらく途中、何らかの形で『飛ばされた』のかもしれない。景色は変わらなかったのだし。
「研磨は白魔術で戦うんだよな？」
やけにでっかい杖を見ながら、日向さんが訊く。研磨さんはこくりと頷いた。
「うん……一応。モンスターとも戦える」
「じゃあ攻撃の幅広がるな！ おれは剣、影山とAは弓、研磨が魔法！ パーティっぽい！」
「パーティなんだからぽくなきゃ駄目ですよ」
それもそうだな！ と日向さんがはしゃいだ声を出すと、影山さんが立ち上がってあたりを見回した。
「食べたら行くか」
「おう！ 荷物まとめるか？」
「それがいいと思う。でもあんまり複雑な道じゃないから……」
「てことは安心ですね。モンスターだけが気がかり、と」
大したのは出てこない、という研磨さんの返事にホッとする。何にせよ砂漠よりは安泰だろう、だって水がある。
火の後始末をしてから、その場を去った。
行く先は続く森、そして待つものは――それはまだ、私達にはわからない。
*
道は狭く、二人が横に並ぶともうそれ以上は並べない。日向さんが先頭立って、それに影山さんが張り合うので必然的に私の横は研磨さんになった。
歩きながら、あたりを見回しながらぽつぽつと会話を続ける。
「それにしても、私達が追放されたなんて知れ渡っていたんですね」
「大王って噂好きなんでしょ。だから、きっと自分で流したんだよ」
「ああ……すごくありそう」
あの人ならやりかねない。私達は全然知らなかったけれど。あそこの村でもそんな噂は話されているようでなかったし。
いや――それとも、意図的に避けていたのか。
そこまで考えて、やめた。これ以上思ったって何も得るものはない。後悔だってしていないんだから。
そしてこの先も、後悔はしないと決めた。
気を取り直して、影山さんの背中を眺めながら話す。
*
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作者名：スマトラ島のラフレシア | 作成日時：2016年8月1日 18時
