03 ページ42
*
各自収穫してきた食べ物を持ち寄って、手伝ってもらいながら朝食の準備をした。
食べながら岩泉さんがポツリと「久しぶりにまともなモン食ったな……」と呟いたが、詮索してはいけないような気がしたので無視。ホラーに繋がる気配がした。
……いや、あれ? 昨日あなた私たちと同じもの食べましたよね?
まあいいや、やめておこう。
――そして。片付けが終わると、意気揚々と支度を始める日向さん。隣で研磨さんは超絶嫌そうな表情。
「なんつー顔してんだよ研磨」
「……翔陽一人で行ってきなよ」
「何でだよ! Aがさっき二人以上でって言っただろ!」
「余計なこと言って……」
軽く睨まれたけれど目を逸らしてスルー。いや道理しか言ってませんから。間違ってます?
「んだよもー……あ、じゃあ青根さんは! 暇?」
「…………」
青根さんは頷いたが困ったような顔でいる。そりゃそうだ。急に自分に回されたんじゃね。
「別に遠くまで行かねえから、さ!」
「…………」
「いや待て……お前らが行くなら俺もついていく」
「岩泉さんも?」
驚いたのは日向さんだけではなかった。が、岩泉さんの表情で気付く。
彼はこう言っていた。「こいつらだけじゃ心配だから」、と……。
つまり保護者ですか。
「じゃあ三人で行ってきなよ……おれは昼寝してるから」
「おう! じゃあ早速行こう行こう!」
ピクニックに行くみたいにはしゃぐ日向さんのうしろを、つられたようについていく青根さんと岩泉さん。まあ、岩泉さんがいるなら安心かな……。
「じゃあ、研磨さんは昼寝ですか」
「うん……」
答えた研磨さんはすでに眠そうだ。私は影山さんにも尋ねる。
「影山さんは」
「あー……Aはここに居るんだろ」
「ええ、そうですね」
「じゃあ」
立ち上がって、荷物を担ぐ影山さん。
「そのへんで練習してくる。しばらく射ってないと腕が鈍――……なんでそんな顔すんだよ」
「いや……影山さん調子乗って奥まで行って迷子になりそうな気がするので」
「ふざけんなよ」
ぺちんと軽く頭にチョップ。痛えです。
「大丈夫だ、そんなに行かねえよ」
そう言った影山さんの背中は、どうにも頼もしいはずなのに――やけに不安に思えた。
「石でも落としながら進んでくださいね……」
「だから大丈夫だっつってんだろ」
*
6人がお気に入り
「ハイキュー」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年8月1日 18時