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SR14Gの子たちのステージが終わって、順番的にはAの出番だ。
勘の良いペンの子たちがAの名前をコールし出す。
圧倒的に大きな歓声。
まるでこの会場にいる子みんながAのペンなんじゃないかって錯覚してしまうくらいの。
そんな、いまにもはちきれそうな期待と関心が集まるステージ上に現れたAは、
なんとダンスに向いているとは到底思えない白いワンピースとハンドマイクを1本持ってステージの中央に立っていた。
途端にさっきまでの歓声とは違った意味でざわめきだす会場。
ワンピース？ヘッドセットマイクじゃないの？踊らないの？歌えるの？えーダンスを観たかったのに。
さっきと打って変わってためいきが聞こえてきそうなほどの会場。
やりづらそうだと正直に思う。
特にダンスの子なら、まあこの事務所にいる限りそれなりに歌も歌えるんだろうけれど、この雰囲気を払拭できるような特別ななにかがあるとは思えない。
なんでこのタイミングで踊らせないんだろう。事務所も無茶なことをする。
なんでかおれまでいたたまれない気持ちになって、ステージ横のモニターの前でぎゅっと唇を噛んだ。
隣でジェヒョニが、心配そうにモニターを覗き込む。
それだけの雰囲気が会場にはあった。
モニターの中では、伏し目がちだったAが静かに前を見据えた。
それだけでふとざわめきが止む。
緊張のなかに、けれど確かに意志とプライドを灯したおおきな瞳。
Aがマイクをスタンバイして、大きく息を吐いて、吸って、歌いだす。
いまでも忘れない。あのときAが歌ったのはBoA先輩のJewel Songだった。
マイクにいちばん声が乗るように、しっかり口と垂直になるように完璧にホールドされたマイクから、まるで宝石みたいな歌声が流れ出す。
そうだ、あのときおれは、冗談や誇張なんかじゃなくて、ほんとうに宝石みたいだと思ったんだ。
Aの歌声を。
さっきまでのざわめきなんて思い出せないほどの静寂だった。
思わず飲んだ息の音さえ響いてしまいそうな客席。
マイク1本でペンたちも、ルーキーズのメンバーたちも、スタッフたちも、ぜんぶ黙らせたのは、まぎれもなくAの歌声だった。
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花藤(プロフ) - アラレさん» 気楽に、と言っていただけるとこころが救われますTTセブンスセンス編、長くなりすぎてて不安だったんですけど、おもしろいと言っていただけて安心しました…。セブンスセンス編自体は次作で終了予定なので、もうすこしお付き合いいただけると幸いです。 (2021年1月19日 2時) (
レス) id: eefe3c42a8 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 彩都さん» 感想いただけてとっても嬉しいです。スローペースの更新にはなりますが、またお時間あればお読みいただけると幸いです…。感想をいただくというのも、貴重なお時間とお手間いただいてると思います。ほんとうにありがとうございますTT (2021年1月19日 2時) (レス) id: eefe3c42a8 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - まりもっちさん» まりもっちさま！また感想くださったんですねTTこころから嬉しいです。ありがとうじゃ足りませんTTコーラの件、実はあんまり構想になくて、その場で思いついて追加したエピソードだったんですけど、気に入ってくださってよかったです。またよければぜひいらして下さい！ (2021年1月19日 2時) (レス) id: eefe3c42a8 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - ヨリさん» 自分の書きたいものばかり書いていますが、おもしろいと思ってくださる方がいる限りはわたしなりに頑張ろうと思いますTTそのお時間とお手間をかけて感想をくださったことがほんとうにうれしいです。ありがとうございます。 (2021年1月19日 1時) (レス) id: eefe3c42a8 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - UYさん» 心待ちにしてくださっていたというそのお言葉がほんとうにうれしいです。描写や表現もお褒めいただいて、そんな風にこの作品を読んでくださる方がいらっしゃると思うと感無量です…。胸がいっぱいです。拙著ですがこれからもそのお言葉を胸に頑張りますねTT (2021年1月19日 1時) (レス) id: eefe3c42a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花藤 | 作成日時：2021年1月13日 11時
