関西の太陽 VII (ページ6)

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マーキングページ6

* no side

お疲れーと楽屋に入ってきたのはAちゃんで、舞台中で忙しいのに関西に出向いて他愛もない会話をしてくれる優しさは僕たち後輩にとって嬉しい以外何物でもない。

リハを見に来てくれたAちゃんは、ゆるっとした格好やのに相変わらずオシャレで。

『はーいこれ差し入れ。みんな食べやぁ』
斗｢美味しそう！ありがとう、Aちゃん、｣
西｢今日の格好かわいいっすね、｣
『ほんま？…今思ったけど全部お下がりやわこれ、』

けたけた笑いながらも、これは風磨くんから貰ったやつやし、これは廉やろ、これはほっくんやしー、これは丈くんや、とデビューされてる人達のビッグネームが次々に出てくる。

風｢丈くんこんなブレスレット渡せるん！？｣
『意外と丈くんてロマンチックな所あるでぇ』
琉｢それはホンマに意外やわ、｣
彪｢Aさん東京どうですか？｣
『楽しくやってるよぉ、関西恋しいけど！』

ふにゃっと笑いながら小ぶりではあるけど、きちんとしたバッグからはい、お年玉、と一人一人に渡してくれるAちゃん。

『はい、どーぞ』
｢あ、ありがとうございますっ｣
『どういたしまして！』
｢…可愛いバッグですね、｣
『クリスマスにふっかさんから頂いたの。可愛い？』
｢……可愛いです。お似合いです、｣

詳しくない自分でもわかる、とってもネームバリューのあるブランド。
知らんけど付き合ってるとかでは無いはず。そんなんAぇさんが許さへんもん。末澤くんとかが怒ってる顔が目に浮かぶ。

関西だけじゃなく、東京の方達も虜にしてるのかと目の前にいるほわほわとした優しい先輩が途端に恐ろしい。

『あ、足ひねってるやろ、ちゃんと我慢せんと言いや』
｢、っは、い。｣
『言うてきてあげるから。わたしと休憩しなさい。』

リハの時に踊ってるのを1曲ほどふらっと見てただけのはずで、大人数いる中自分の踊りの癖を理解してるAちゃんにグッと惹き込まれた。

顔が熱くなるのを感じながら、お近付きになりたい気持ちを抑えて先輩方がAちゃんにプレゼントしてしまう心情が痛いほど分かってしまった。

それと同時にAぇさんの気苦労も少し理解した。